前回の記事(https://www.coindeskjapan.com/123258/)に引き続き、本記事では以下5社のシンクタンクおよび金融機関の為替相場見通しをまとめる。
- ニッセイ基礎研究所
- 大和アセットマネジメント
- ヒロセ通商
- ソニーフィナンシャルホールディングス
- マネースクエア
※発表が早い順
なお、各社の予想は執筆時期が異なる点(公表は2021年9月21日~27日)、また将来の値動きについて保証するものではない点に留意してほしい。
ニッセイ基礎研究所、ドル円の上昇を予想
ニッセイ基礎研究所は9月21日、「マーケットカルテ(10月号)」において、為替相場を以下のように予想した。
ニッセイ基礎研究所 為替相場見通し
3か月後 | |
米ドル円 | 112円弱 |
ユーロ円 | 131円弱 |
「米ドル/円」は上昇を予想した。デルタ株の拡大や中国関連のリスクがあるものの、FRB(米中銀)は11月にテーパリング(緩和縮小)の決定し、12月に開始される可能性が高いと指摘。市場で折り込みは進んでいるが、現状の低い米長期金利は説明できなくなるとし、米金利上昇を通じて円安・米ドル高が進むとした。
大和AM、ドル円の見通しは中立
大和アセットマネジメントは9月21日、「投資環境見通し(2021年10月号)」において、為替相場を以下のように予想した。
大和AM 為替相場見通し
2021年末 | 2022年末 | |
米ドル円 | 110 | 111 |
ユーロ円 | 132 | 133 |
英ポンド円 | 153 | 152 |
豪ドル円 | 86 | 89 |
カナダドル円 | 89 | 91 |
「米ドル/円」は中立な立場を取った。米財政支出への期待は米ドル高要因とするも、米実質金利の低迷が米ドル安要因になるとした。
日米の金利差は拡大したとはいえ、4~5月と比較しまだ低いと指摘。実質金利差においても4月・6月と比べて低い水準にとどまっているとし、「米ドル/円」が上昇しにくいとみる。
コロナ問題が収束すれば米国の成長期待と実質金利は2020年以前の水準へ上昇し、「米ドル/円」も上昇しやすくなるとした。
ヒロセ通商、9月27~10月1日ドル円を108~111円と予想
ヒロセ通商は9月24日、「fx wave weekly(2021年9月24日)」において、為替相場を以下のように予想した。
ヒロセ通商 為替相場見通し
2021年9月27~10月1日 | |
米ドル円 | 108.0─111.0 |
ユーロ米ドル | 1.14─1.19 |
「米ドル/円」は上値が重い展開を予想。9月27日の米インフラ投資法案の採決が難航した場合は米政府機関が閉鎖に追い込まれること、中国恒大集団のデフォルトが懸念されることを理由に挙げた。
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ソニーフィナンシャル、9月27~10月1日ドル円を109.8~111.6円と予想
ソニーフィナンシャルホールディングスは9月27日、「Weekly FX Market Focus(2021年9月27日)」において、為替相場を以下のように予想した。
ソニーフィナンシャル 為替相場見通し
2021年9月27~10月1日 | |
米ドル円 | 109.8─111.6 |
ユーロ円 | 128.8─131.5 |
「米ドル/円」の底堅い展開を予想した。9月FOMC(連邦公開市場委員会)で11月テーパリング開始が示されたとみる。またFOMCメンバーによる政策金利見通し(ドット・チャート)の中央値は2022年が0.25%、2023年が1.00%、2024年が1.75%であったことから、急速にタカ派になりつつあるとした。
デルタ株拡大による経済指標の鈍化や米株価の軟調地合いなどから、市場参加者の予想はFOMCのタカ派姿勢についていけていないと指摘。今後市場予想がFOMCの見通しに近づくに従い、米長期金利がさらに上昇していく展開を見込む。
マネースクエア、ドル円の上昇を予想
マネースクエアは9月27日、特別レポート「マネースクエア四季報:2022年3月までの為替相場展望」において、為替相場を以下のように予想した。
マネースクエア 為替相場見通し
2022年3月末 | 方向性 | |
米ドル円 | 107.0─115.0 | 上昇 |
ユーロ円 | 125.0─134.0 | レンジ |
英ポンド円 | 145.0─160.0 | 上昇 |
豪ドル円 | 75.0─87.0 | レンジ |
NZドル円 | 73.0─82.0 | レンジ |
ユーロ米ドル | 1.12─1.22 | 下落 |
「米ドル/円」は上昇を見込む。景気回復および雇用回復を前提としたメインシナリオとして、米国は11月に緩和縮小の開始、2022年半ばに緩和終了、2022年後半に利上げ開始に踏み切るとみる。米長期金利は上昇し、「米ドル/円」の強気材料になるとした。
ただしリスク要因として、米国の景気や雇用の回復が遅れること、米インフラ投資法案の規模が縮小されること、米政府のシャットダウン(政府機能の一部停止)やデフォルト(債務不履行)を挙げた。
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|文・編集:coindesk JAPAN編集部
|画像:Shutterstock.com