暗号資産(仮想通貨)市場は28日、米株式市場を追って下落した。
「株式は1年で最も危険な月を迎えようとしている。10月は過去、暴落や大きな修正が起きている。暗号資産はレジスタンスとサポートの間を揺れ動き、アメリカでの規制の明確化と中国での債務危機をめぐる中央銀行の動きを待っている」とPermission.ioのCEO、チャーリー・シルバー(Charlie Silver)氏は中国の不動産開発会社、恒大集団をめぐる混乱に触れてコメントした。
最新価格
●ビットコイン (BTC):4万1814ドル、−2.5%
●イーサリアム(ETH):2871ドル、−3.4%
●S&P500:−2.0%
●ゴールド:1734ドル、−0.9%
●10年物米国債:1.548%
イーサリアムオプションの満期
イーサリアムは今週3000ドルを割ったため、一部のトレーダーは損切りの方法を模索した。
暗号資産オプション取引所のデリビット(Deribit)のデータによると、10月8日に満期を迎えるイーサリアムのプットオプションの取引高は急増している。プットオプションが最も多いのは2700ドル付近で、この水準を下回ると、ロングの清算が起こる可能性がある。
現状、テクニカルチャートでは100日移動平均線(現在2760ドル付近)がイーサリアムの最初のサポートになっているが、上昇の勢いは大幅に鈍化している。
ユニスワップの成長
分散型取引所(DEX)のユニスワップ(Uniswap)は、Coin Metricsのデータによると、2018年にスタートして以来、合計6750万回の取引を行った。
しかし、1日の取引数は2021年5月の暗号資産市場の下落の際に約27万1000件のピークを迎え、それ以降、1日あたり約10万件まで減少している。
「最近では、1日あたり最大3万程度のユニークアドレスが取引を行っており、イーサリアム上で最も人気の高い分散型アプリ(Dapp)となっている」とCoin Metricsは28日、ニュースレターに記した。
今月はじめ、ウォール・ストリート・ジャーナルは米証券取引委員会(SEC)がユニスワップを調査していると伝えた。その前にはSECのゲンスラー委員長がDeFiプロジェクトは規制と無縁ではないと述べていた。
規制リスクやこの数カ月間の取引数の減少にもかかわらず、一部のアナリストは分散型取引所(DEC)に長期的な可能性を見出している。
「新しいトークンの増加、互換性のあるDeFiプロトコル、増え続けるユーザー数を原動力に、DEXは暗号資産の取引高においてかなりのシェアを獲得しつつある」(Coin Metrics)
アルトコイン状況
●ペルーの通貨「ソル(Sol)」に裏付けられたステーブルコイン、ステラ(XLM)でローンチ:ラテンアメリカのデジタルトークン発行会社Anclapは、ペルーの通貨「ソル(Sol)」に裏付けられたステーブルコインを発表。デジタルソルは、アルゼンチンのペソ、ブラジルのレアル、米ドルなどの通貨と交換できる。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Coin Metrics
|原文:Market Wrap: Traders Seek Protection as Crypto and Stocks Dip on US Debt Ceiling Impasse