人気NFTゲーム、急減速──アクシー・インフィニティ、9月の収益は前月比40%減

ブロックチェーンを使ったプレー・ツー・アーン(play-to-earn)ゲーム「アクシー・インフィニティ(Axie Infinity)」の急成長は9月、急減速し、収益は8月から40%減となった。前月比マイナスは今年1月以来のことだ。

出典:Axie World

NFT(ノンファンジブル・トークン:非代替性トークン)を使ってプレーヤーに報酬を与えるアクシー・インフィニティの9月の収益は、データサイトのAxie Worldによると、6万4933.71イーサリアム(ETH)、約2億2032万ドル(約245億円)となった。過去最高を記録した8月の3億4200万ドル(約380億円)から大幅な減少だ。ただし、前年同月比では約3000倍の成長となっている。

人気DeFiを超える収益

Token Terminalのデータによると、ブロックチェーンを使ったアプリケーションの中で、アクシー・インフィニティの月間収益は、イーサリアムブロックチェーン自体の8億3000万ドルに次いでいる。スシスワップ(SushiSwap)、アーベ(Aave)、コンパウンド(Compound)、カーブ(Curve)といった人気DeFi(分散型金融)プロジェクトよりも大きな収益を上げており、プレー・トゥ・アーン・エコノミーの人気の高さを示している。

出典:Token Terminal

2018年にベトナムのブロックチェーンスタートアップ、Sky Mavisが開発したアクシー・インフィニティは、ビットコイン(BTC)やDeFiの利回りの低下で、資金がゲームやNFTに流れたことで、第3四半期(7−9月期)はじめに大きな注目を集めた。

フィリピン、ベトナム、ベネズエラ、ブラジルなどでは、アクシー・インフィニティは人々の重要な収入源となっている。フィリピンでは、政府がプレーヤーに課税の意向を表明するほどの人気を誇る。

独自トークンは年初から140倍以上に

アクシー・インフィニティでは、プレーヤーは「アクシー(axie)」と呼ばれるキャラクターを集め、繁殖させ、戦わせる。アクシーはNTF化されており、取引も可能だ。さらにゲームには、SLP(Smooth Love Potions)とAXS(axie infinity shards)という2種類のユーティリティートークンがあり、どちらも簡単に換金できる。

9月の収益の90%近くはプレーヤーがアクシーを繁殖させるときに支払うフィーが占め、残りはマーケットプレイスの手数料となっている。

独自トークンのAXSは、TradingViewのデータによると当記事執筆時点では78ドル付近で取引され、年初から140倍以上になっている。AXSは9月はじめに史上最高値95ドルを記録したが、中国の暗号資産全面禁止を受けて、多くの暗号資産と同様に下落した。

Synergia Capitalのリサーチ責任者、デニス・ビノコウロフ(Denis Vinokourov)氏は「中国の全面禁止によって、AXSは多少下落したが、主に暗号資産の間の高い相関関係によるものだった。基盤となるファンダメンタルズはまったく損なわれておらず、AXSとその『プレー・ツー・アーン』モデルに対する需要はこの先、加速する可能性が高い」とリンクトインに投稿している。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Axie Infinity
|原文:Play-to-Earn Giant Axie Infinity’s Revenue Tanked 40% in September