【市場動向】ビットコイン、5万ドル回復──市場センチメントも大幅改善

ビットコインは当記事執筆時点、5万1400ドル付近で取引されており、アナリストはポジティブなマイルストーンと考えている。1週間で約22%上昇しており、低迷するグローバルな株式市場とは切り離されている。

ビットコインの市場センチメントを測る「Fear and Greed Index」は1週間で大幅に改善し、市場がパニックから転換したことを示している。またテクニカル指標も短期的なモメンタムが改善しており、強気センチメントの上昇と一致している。

「短期的な買われ過ぎ状態は、5万2900ドル付近の小規模なレジスタンスを試してしばらく続き、上抜けした場合は史上最高値を目指すと見ている」とフェアリード・ストラテジーズのケイティ・ストックトン氏は4日のニュースレターに書いている。

最新価格

●ビットコイン (BTC):5万1215ドル、+4.0%
●イーサリアム(ETH):3490ドル、+2.4%

●S&P500:+1.1%
●ゴールド:1762ドル、−0.4%
●10年物米国債:1.527%

強気センチメント

ビットコインのFear and Greed Indexは先月の低水準から上昇しており、価格回復で投資家の恐怖心が薄れていることを示している。歴史的に見て、Fear and Greed Indexの極端な低水準は、価格の反発に先行する。

一方で、極端な強気センチメントは価格の下落につながる可能性もあるが、Fear and Greed Indexはまだ今年始めの高水準を下回っている。

「3週間の恐怖の後、ビットコイン価格が上昇した10月1日に指数は急上昇し、現在は貪欲な市場心理を示している」とアーケーン・リサーチ(Arcane Research)は5日、レポートに記した。

出典:Arcane Research

利益を生むビットコインの供給

グラスノード(Glassnode)がまとめたブロックチェーンデータによると、流通しているビットコインの約10%が未実現利益(取得コストを上回る水準)に戻ったという。

「5月〜7月の2万9000ドル〜4万ドルのレンジと並んで、最近の4万ドル〜4万1000ドルの安値は、底値を狙ったバイヤーにとって、大きな『利幅』ゾーンになったようだ」(グラスノード)

さらに、短期保有者(過去155日以内にビットコインを購入した者)は以前の損失を取り戻しつつある。「市場の多くの部分に利益が戻ると、一部の投資家に利益確定のためのインセンティブが生まれる」とグラスノードは記した。

出典:Glassnode

アルトコイン状況

アクシー・インフィニティの開発会社、1億5200万ドルのシリーズBラウンドを終了:人気NFTゲーム「アクシー・インフィニティ(Axie Infinity)」の開発会社で、ベトナムのスタートアップ会社「Sky Mavis」は、企業評価額30億ドルで1億5200万ドルのシリーズBの資金調達ラウンドを終えた。資金は、ブロックチェーンゲームに取り組む外部開発者を支援するための配信プラットフォームの構築や、チームの拡大、スケーリングインフラの拡大に使用するという。

●NFT販売額が700%増の107億ドルに:第3四半期(7−9月期)のNFT(ノンファンジブル・トークン:非代替性トークン)販売額は107億ドル(約1兆2000億円)にのぼり、前年同期比で700%以上の増加となったことがブロックチェーン分析会社DappRadarのレポートで判明した。52億ドル以上の販売高を記録した8月が成長の原動力となったという。販売額急増の理由についてDappRadarは「理由は1つではなく、複数ある」と述べた。例えばその1つに、NFTプロジェクトが「ブランド化」していることをあげた。人気ラッパーのスヌープ・ドッグや伝説的なNBA選手のシャキール・オニールなどの著名人がコミュニティに名を連ねている。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:Market Wrap: Bitcoin at $51K as the Bulls Return