前回の記事(https://www.coindeskjapan.com/123690/)に引き続き、本記事では以下5社の金融機関の為替相場見通しをまとめる。
- ソニーフィナンシャルホールディングス
- 三菱UFJ国際投信
- 岡三アセットマネジメント
- 三井住友信託銀行
- 三菱UFJ銀行
※発表が早い順
なお、各社の予想は執筆時期が異なる点(公表は2021年9月28日~10月1日)、また将来の値動きについて保証するものではない点に留意してほしい。
ソニーフィナンシャル、ドル円の上昇を予想
ソニーフィナンシャルホールディングスは9月28日、「Quarterly Market Outlook(2021年9月28日)」において、為替相場を以下のように予想した。
ソニーフィナンシャル 為替相場見通し
2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | |
米ドル円 | 112 | 115 | 118 | 117 |
ユーロ円 | 129 | 130 | 127 | 129 |
ユーロ米ドル | 1.15 | 1.13 | 1.08 | 1.10 |
「米ドル/円」は上昇を予想した。米国は2021年12月からテーパリング(緩和縮小)を開始し、2023年1~3月に利上げを始めるとみる。日米金利差の拡大から「米ドル/円」の上昇を見込む。
ただしコロナショック後は日米金利差ほど下落しなかったことから、上昇余地も限られるとした。
三菱国際投信、半年後ドル円を108~116円と予想
三菱UFJ国際投信は9月29日、「INVESTMENT STRATEGY MONTHLY<投資戦略マンスリー>(2021年10月号)」において、為替相場を以下のように予想した。
三菱国際投信 為替相場見通し
6か月後 | |
米ドル円 | 108─116 |
ユーロ円 | 125─137 |
豪ドル円 | 79─89 |
NZドル円 | 75─85 |
「米ドル/円」は上昇を見込む。当面は米連邦政府の債務上限問題や中国不動産企業の信用リスクなどが懸念されるため一進一退の展開が続くと予想。しかし堅調な個人消費を背景に米景気は底堅く、米金利上昇から米ドルが買いを集めると指摘した。
岡三AM、ドル円の一進一退を見込む
岡三アセットマネジメントは9月30日、「マーケットビューVol.61 株式・債券・為替市場の見通し(2021年9月30日)」において、為替相場を以下のように予想した。
岡三AM 為替相場見通し
2021年 10~12月 | |
米ドル円 | 107─114 |
ユーロ円 | 125─134 |
ユーロ米ドル | 1.12─1.23 |
「米ドル/円」は一進一退の展開になるとみる。6月以降109~111円で推移しており、当面はレンジ内の推移が続くと予想。リスクオン・オフの影響は少なからず受けるとするも、ドル円相場よりその他の通貨に大きな影響を与えるとみる。
ただし、中長期的には金利差の拡大から米ドル高・円安に転じると指摘した。
三井住友信託、ドル円が上値を試す展開を予想
三井住友信託銀行は9月30日、「Forex Monthly(10月為替相場展望)」において、為替相場を以下のように予想した。
三井住友信託 為替相場見通し
2021年10月 | |
米ドル | 110.0─113.5 |
ユーロ円 | 125.0─132.0 |
ユーロ米ドル | 1.140─1.185 |
「米ドル/円」は上値を試す展開を予想。9月の米雇用統計(10月8日公表予定)は堅調な結果を見込む。その場合、11月のテーパリング開始が意識され米ドル買いが優勢になると指摘した。
ただし、中国恒大集団(エバーグランデ)がデフォルトした場合、また米連邦政府債務問題の不透明感が強まる場合には米ドル売りが強まる展開を見込む。
三菱UFJ銀行、ドル円の緩やかな下落を予想
三菱UFJ銀行は10月1日、「FX Monthly(2021年10月号)」において、為替相場を以下のように予想した。
三菱UFJ銀行 為替相場見通し
2021年 10~12月 | 2022年 1~3月 | 2022年 4~6月 | |
米ドル円 | 107─114 (110) | 106─113 (109) | 105─112 (108) |
ユーロ円 | 124─132 | 122─131 | 122─131 |
ユーロ米ドル | 1.13─1.19 | 1.12─1.19 | 1.13─1.20 |
「米ドル/円」は、当面は堅調な推移を見込むも、その後は緩やかな下落を予想した。利上げが2023年以降にずれ込むとみられること、米長期金利の上昇が鈍くなると予想されること、米ドルが割高で金利に追随しづらいと思われることを理由に挙げた。
短期的には、米金融政策正常化の本格化に対する思惑などから、「米ドル/円」は上値を試す可能性が高いとみる。ただし米国債利回りの上昇の程度は限定的な範囲にとどまり、上値の重さが意識されると指摘。趨勢としてみれば円の持ち直しが続く可能性が高く、「米ドル/円」は軟化に転じると予想した。
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|文・編集:coindesk JAPAN編集部
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