ビットコインは6日、5万4000ドルに向けて急騰し、約5カ月ぶりの高水準となった。日本時間7日朝には一時5万5000ドルを超えた。
アナリストは、ビットコインEFT(上場取引投信)申請に対する米証券取引委員会(SEC)の決定が数週間以内に出る可能性があることに先立ち、強気センチメントが再び高まっていると指摘した。
ビットコイン先物を見ると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)では、スポット(現物)価格に対して年率12.8%のプレミアムで取引され、4月中旬以来の高水準となっている。先物ベースのビットコインETFが承認されると、CMEの先物にさらなる買い圧力がかかるだろう。
一部のアナリストはビットコインには引き続き上昇余地があると見ている。
「日足チャートを見ると、これまで何度も見られたような5万ドルを前にした拒絶はなく、モメンタム(勢い)は4万ドル付近から着実に築かれているため、今回の上昇は健全に思えると言わざるをえない」とDailyFXのアナリスト、ダニエラ・ハソーン(Daniela Hathorn)氏はコメントした。
最新価格
●ビットコイン (BTC):5万4913ドル、+7.3%
●イーサリアム(ETH):3581ドル、+2.6%
●S&P500:+0.5%
●ゴールド:1765ドル、+0.2%
●10年物米国債:1.524%
ビットコインのドミナンス
ビットコインのドミナンス(暗号資産全体の時価総額に対するビットコインの時価総額の割合)は、9月の約40%の低水準から約44%に上昇した。ドミナンスの上昇はビットコインの最近のパフォーマンスがアルトコインよりも優れていることを反映しており、一部のアナリストが期待するこの傾向は第4四半期(10−12月期)も継続しそうだ。
「ビットコインには新たな現物買いの動きがあり、値動きを見ると、今後数週間で史上最高値を更新すると予想している。我々はまた、ビットコインがアルトコインを上回り、資金がこの先、アルトコインからビットコインに移ると見ている」とDelta Exchangeのパンカジ・バラニ(Pankaj Balani)CEOはコメントした。
ビットコインのドミナンスは、アルトコインがビットコインを上回るパフォーマンスとなっていたため、この数カ月で低下していた。先月の下落の際、投資家はアルトコインからビットコインに資金を移したのかもしれない。
イーサリアムはビットコインを下回る
イーサリアムはビットコインのパフォーマンスを下回っている。ETH/BTCレシオは、8月に見られた0.065を下回ろうとしており、さらに0.057に向けて下降する可能性もある。だがチャートには売られすぎのサインも出始めている。
アルトコインの中ではイーサリアムの時価総額は、他のアルトコインを圧倒し続けている。CoinDesk Researchのレポートによると、ノンファンジブル・トークン(NFT)、DeFi(分散型金融)などの分散型アプリケーション(Dapp)の広がりが、イーサリアムの時価総額は今後も成長し続けるというストーリーを後押ししているという。
アルトコイン状況
●ジョージア国立銀行、2022年に中央銀行デジタル通貨をテスト: 今年5月に中央銀行デジタル通貨(CBDC)の可能性を検討していると述べたジョージア国立銀行は、2022年にテストプログラムを開始する。CBDCは暗号資産ではなく、現金の進化系であり、ジョージアの決済システムの効率を高め、ファイナンシャル・インクルージョン(金融包摂)を拡大すると同行副総裁は述べた。
●バイナンス、アイルランドに3社設立:現地メディアの報道によると、Binance (APAC) Holdings、Binance (Services) Holdings、Binance Technologiesの3社が9月27日に同国で設立された。これは、アメリカ、イギリスなどでバイナンスに対する規制当局の圧力が高まっていることを受けたものだ。同社によると、オフィスの場所はアイルランドの首都ダブリンにある会計事務所のオフィスになっている。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:Market Wrap: Bitcoin Dominance Rises as Altcoins Underperform