SBIグループ傘下のSBIアートオークションが、国内では初となるNFT(非代替性トークン)アートのオークションを実施する。
同社は10月30日、東京・渋谷区の「ヒルサイドフォーラム」でNFTアートオークション「NFT in the History of Contemporary Art(コンテンポラリーアートの歴史におけるNFT:仮訳)」を開催する。当日、出品されるロットは8点で、文化研究者の山本浩貴氏がキュレーターとしてオークションに参画。
NFT(ノンファンジブル・トークン)は、ブロックチェーン上で発行される代替不可能なデジタルトークンで、アニメやゲーム、アートなどのコンテンツの固有性や保有を証明することができる
北米などの海外市場では今年、オークションに出されたNFTアート作品が70億円を超える高額で落札されるなどして、NFTを活用したデジタルアートが注目を集めてきた。日本では、暗号資産(仮想通貨)取引所を運営するコインチェックや、LINE、GMOインターネットグループなどの企業が、NFT作品を取引できるマーケットプレースを開設している。
SBIも、アート作品を中心とするNFTのマーケットプレース「nanakusa(ナナクサ)」を運営するスマートアプリを買収するなどして、NFT関連事業の拡大を図っている。
今回のオークションでは、スタートバーン(本社・東京都文京区)がアート作品のNFT化において連携。スタートバーンは、アート作品のブロックチェーン証明書(Cert)を発行する技術や、アート流通のためのブロックチェーンインフラ「Startrail」を開発してきた。
出品される8ロットには、東京を拠点に活動するビジュアルアーティスト・Sputniko!(スプツニ子!)の版画や彫刻作品も加わった。SBIアートオークション・広報担当者によると、同オークションにかけられるNFT作品は、イーサリアムブロックチェーンのセカンドレイヤー・ソリューションであるポリゴン(Polygon)を基盤にしている。落札者は、メタマスクなどのデジタルトークン用ウォレットを利用して、NFTを取得する。
オークションには、オンラインと電話でも参加できる。SBIアートオークションが開催するオークションには通常、オンラインと電話、オークション会場を通じておよそ1000人が参加するという。同社・広報担当者によると、落札者の約4割が海外居住者で、韓国や香港、台湾に加えて、アメリカ、フランス、イギリス、ドイツなどからオークションに参加している。
|テキスト・編集:佐藤茂
|トップ画像:スプツニ子!「The Moonwalk Machine」より/SBIアートオークション提供