SEC、暗号資産関連株ETFを承認

米証券取引委員会(SEC)は、ビットコイン関連事業を行っている上場企業への投資機会を投資家に提供するETF(上場投資信託)を承認した。

10月1日に提出された目論見書によると、Volt Crypto Industry Revolution and Tech ETF(ティッカー:BTCR)は、いわゆる「ビットコイン産業革命企業(Bitcoin Industry Revolution Companies)」、具体的にはマイクロストラテジー(MicroStrategy)のように内部留保の大半をビットコインで保有しているか、マラソン・デジタル・ホールディングス(Marathon Digital Holdings)のように暗号資産マイニングやマイニング機器の製造で利益を上げている上場企業のパフォーマンスをベースとしたETFだ。

同ファンドの純資産の少なくとも80%は暗号資産関連株に、20%はリスクを相殺するために、より伝統的な企業の株式に投資される。暗号資産を直接保有することはない。

ビットコインEFT承認に向け一歩前進

SECは数日前に、グローバルX(GlobalX)、ウィズダムツリー(WidsomTree)、クリプトイン(Kryptoin)、ヴァルキリー(Valkyrie)の4つのビットコインETFの審査期間をそれぞれ45日〜60日延長すると発表している。

SECに対するビットコインETFの申請は山積みになっている。8日には暗号資産(仮想通貨)金融サービスを手がけるブロックファイ(BlockFi)がビットコイン先物ETFを申請し、現在SECが審査中の申請は10数件になった。

暗号資産コミュニティの多くは、審査期間が延長されているものの、ビットコインETFの承認は今月末までに実現する可能性があると考えている。またSECのゲンスラー委員長は、ヴァルキリーやブロックファイが申請している先物ベースのビットコインETFを好意的に捉えていることを繰り返し表明している。

今回承認されたVoltのETFは、正確には暗号資産業界が待ち望んでいたものではないが、一歩前進したと言えるだろう。BTCRは、規制当局の承認を受けた初のビットコインに特化したETFとなる。

Volt EquityのCEO、テッド・パーク(Ted Park)氏は、同社にとって5つ目となる同ファンドは、承認を得るのが最も難しかったとInsiderに語っている。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Shutterstock
|原文:SEC Approves Volt Equity’s Crypto Stock ETF