ビットコインは12日、5万7000ドルを割った。アナリストは、市場での極端な買いは、上昇がまもなく息切れすることを意味している可能性があると述べた。
ビットコインの「Fear and Greed Index」が先週「極端な強欲(extreme greed)」レベルに入り、9月はじめ──ビットコインが急激に下落する前──以来の高水準にあると指摘した。
JPモルガン・チェースのCEO、ジェイミー・ダイモン(Jamie Dimon)氏が11日、各国政府はビットコインを規制するだろうと述べ、個人的にはビットコインには「価値がない」と考えていると発言したことも、市場全体のネガティブなムードを助長した。
一部のアナリストは、最近の暗号資産の上昇は米証券取引委員会(SEC)がようやくビットコインETF(上場投資信託)を承認するのではないかという憶測が背景にあると考えているが、SECの承認がビットコインにプラスの影響を与えることについては懐疑的な意見もある。
最新価格
●ビットコイン (BTC):5万5336ドル、−3.7%
●イーサリアム(ETH):3466ドル、−1.5%
●S&P500:−0.2%
●ゴールド:1761ドル、+0.4%
●10年物米国債:1.566%
「ゲンスラーSEC委員長のCMEと先物への好意的な発言をマーケットは強調しすぎている。SECが歴史的に提起しているビットコインの市場操作や規制を受けていない取引所についての懸念は解決していないと我々は考えている」とアルカ(Arca)の最高投資責任者ジェフ・ドーマン(Jeff Dorman)氏はコメントした。
それでも一部のアナリストは、ブロックチェーンデータの改善やビットコインが上昇傾向にあることを指摘し、楽観的な見方をしている。
取引増加
ビットコイン・ブロックチェーンでの取引の増加は、グラスノード(Glassnode)のデータによると、第4四半期(10−12月期)の新たな買い需要を示しているようだ。
「アクティブ・エンティティ、つまり1日あたりのチェーン参加者数は、今週までに19%増加しており、1日あたり約29万1000に達している。アクティブな市場参加者の増加は、歴史的に強気相場の初期段階での関心の高まりと相関関係にある」(グラスノード)
取引の額と量も増加しており、先月の下落の後に大口投資家がビットコインを買い集めていることを意味している可能性があります。
下図は、ビットコインの実現時価総額に対する転送量を示している。グラスノードによると、実現時価総額の3%を超える転送量は、一般的に強気相場の始まりを示している。
マイナーの利益回復
「ビットコイン価格の上昇にハッシュレートの低迷が加わり、2021年はビットコインマイナーにとって非常に利益の出る年となった」とアーケーン・リサーチ(Arcane Research)は12日、レポートに記した。ビットコインマイニングの収益性は10月に入って上昇し、一部のマイナーの株価も上昇した。
「多くのマイナーがオンラインになるほど、ハードウェアやホスティングの手配が難しくなるため、コストが上昇して収益性は低下し、長期的には大規模マイナーだけが生き残ることができる」とマラソン・デジタル・ホールディングス(Marathon Digital Holdings)のCEO、フレッド・ティール(Fred Thiel)氏はコメントした。
アルトコイン状況
●バイナンス・スマート・チェーン(BSC)にさらに10億ドルを投資:世界最大級の暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)は12日、バイナンス・スマート・チェーン(Binance Smart Chain:BSC)の成長を後押しするために10億ドル(約1140億円)を投資すると発表した。およそ1年前、バイナンスはDeFi(分散型金融)プロジェクトの新たな基盤を目指し、1億ドルを投資してBSCをスタートさせた。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:Market Wrap: Bitcoin Declines as Indicator Shows Rally Could Lose Steam