米コインベース、NFT事業に参入──OpenSeaとのシェア争い始まる

暗号資産(仮想通貨)取引サービスを手がける米コインベース(Coinbase)が、NFT事業に参入する。同社は12日、マーケットプレイス「Coinbase NFT」を開設すると発表。関係者によると、立ち上げは年内の予定だという。

前日の11日にはFTX.USが、ソラナベースのNFTマーケットプレイス「FTX NFTs」を発表している。将来的にはイーサリアムをはじめ、他のブロックチェーンもサポートしていくと述べた。

NFT(ノンファンジブル・トークン=非代替性トークン):ブロックチェーン上で発行される代替不可能なデジタルトークンで、アニメやゲーム、アートなどのコンテンツの固有性や保有を証明することができるもので、NFTを利用した事業は世界的に拡大している。

FTXが基盤となるブロックチェーンにソラナを選んだことが、NFTにおけるイーサリアムの優位性を奪おうとするサインだとすれば、コインベースは異なるメッセージを送っている。つまり、コインベースの試みは、現在、イーサリアムベースのNFT取引の大部分を占めるマーケットプレイス「オープンシー(OpenSea)」に直接的な打撃を与えることになる。

オープンシーはこの4カ月のNFTの盛り上がりのなかで、ピーク時には1日あたり8万件もの取引が行われるなど、驚くようなパフォーマンスをあげている。しかし、利用方法はまだ簡単とは言えない。

「NFTを作成、あるいは購入しようとした人は、ユーザーエクスペリエンスが不十分と感じただろう。Coinbase NFTは、NFTの発行・購入・展示・発見をこれまで以上に簡単にする。我々は、複雑さをユーザーから切り離した直感的なインターフェースを構築し、NFTをより身近なものにする」とコインベースはブログに記している。

Coinbase NFTの見本(Coinbase)

発表文によると、Coinbase NFTのローンチ時は、 イーサリアムベースの「ERC-721」と「ERC-1155」の規格のみでのサポートとなる。早いタイミングで、マルチチェーンサポートを導入する計画だ。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸、佐藤茂
|画像:Coinbase NFTの見本(Coinbase)
|原文:Coinbase Follows FTX.US Into NFT Trading