スクウェア・エニックス(スクエニ)は10月14日、同社初となるNFTデジタルシールの販売を開始した。同社は基盤技術にLINEが開発したブロックチェーンを採用しており、デジタルシールはLINEのNFTマーケットプレースで二次流通される。
スクウェア・エニックスが販売したのは、NFTデジタルシール『資産性ミリオンアーサー 第一弾「-資産王、君臨-」』で、キャラクターシールと4コママンガシールの2種類。ユーザーは、購入したアイテムをシールホルダーに貼ることで、「OMJ(おまんじゅう)」というポイントを貯めることができる。貯めたポイントで取得できるコンテンツも準備している。
NFT(ノンファンジブル・トークン=非代替性トークン):ブロックチェーン上で発行される代替不可能なデジタルトークンで、アニメやゲーム、アートなどのコンテンツの固有性や保有を証明することができるもので、NFTを利用した事業は世界的に拡大している。
スクエニのNFTデジタルシールは今後、「LINE」アカウントの「LINE BITMAX Wallet(ウォレット)」内にある「NFTマーケットβ」で、二次流通される計画だ。スクエニの5日付の発表文によると、今回販売するキャラクターシールは1枚500円(税込)で、販売したアイテムの合計数は36,000枚。
国内で約8900万人のユーザーを抱えるLINEは、トークンエコノミー構想を掲げ、子会社のLVCを通じて独自のブロックチェーンである「LINE Blockchain」と、暗号資産の「LINK」を開発し、ブロックチェーン上で展開するサービスを作ってきた。LVCは暗号資産交換業者として、暗号資産の取引サービス事業を運営している。
LVCは2020年8月にウォレットの「LINE BITMAX Wallet」をローンチ。今年6月には、ウォレット内でNFTマーケットの運営を始めた。また、ヤフーを傘下に持つZホールディングスと、LINEは今年3月に経営統合を完了させ、あらゆる事業領域での連携を強化させているが、国内外での成長が期待されるNFT事業においても、LINEとヤフーとの協業が注目されている。
スクエニは今後、NFTがどのように同社の事業にシナジーを生み出すかを検証しながら、NFTとエンタテインメントの組み合わせが持つ可能性をさらに検討していく方針だ。
|エディター:佐藤茂
|トップ画像:LVCの発表文より