暗号資産、制裁措置の効果を損なう恐れ:米財務省

米財務省は18日、暗号資産(仮想通貨)はアメリカの制裁措置の効果を損なう恐れがあるとレポートで述べた。

レポートは、アメリカと対立している国、あるいは違法行為を支援している疑いのある国に対する制裁措置を6カ月にわたって調査したもので、「デジタル通貨、代替決済プラットフォーム、国境を越えた取引を隠蔽する新しい方法は、すべてアメリカの制裁措置の効果を低下させる可能性がある」と指摘している。

「こうした技術は、悪意をもった行為者に従来のドルベースの金融システム外で資金を保有したり、送金するチャンスを提供」し、敵対者によって「ドルのグローバルな役割を低下させることを目的とした新たな金融・決済システムの構築」のために利用される可能性があるという。

ニューヨーク・タイムズのによると、アメリカは北朝鮮やイランなど、テロや違法行為、人権侵害を行っているとされる国に対して、9000以上の制裁措置を講じている。

レポートは、暗号資産とその利用についての「組織的な知識」を強化するよう財務省に求め、さらに業界団体や金融機関をはじめ、暗号資産関係者とのコミュニケーションを改善すること提言している。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:米財務省(Shutterstock)
|原文:US Treasury Department Says Cryptocurrencies Could Could Undermine Sanctions