ウォルマート、ビットコインATMを密かに設置──偽プレスリリース騒動で発表は見送り

売上高世界最大の小売店、米ウォルマート(Walmart)は、アメリカ国内の数十店舗でビットコイン(BTC)を販売している。

買い物客は、同社の巨大な店舗にあるコインスター(Coinstar)の端末でビットコインを購入できる。CoinDeskは10月12日、ペンシルベニア州にある店舗で実際にビットコインを購入した。

「コインスターは現金でビットコインを購入できる試験サービスを開始した。全米のウォルマート店舗に設置されている200台のコインスター端末が試験サービスに参加している」とウォルマートのコミュニケーション・ディレクター、モリー・ブレークマン(Molly Blakeman)氏は語った。

コインスターは、硬貨を端末に投入すると、紙幣と交換したり、買い物に使える引換券を発行するサービスで知られている。ビットコインの購入機能は、ビットコインATM(BTM)を展開する暗号資産決済会社コインミー(Coinme)との提携で実現している。

ウォルマートにあるコインスター端末の画面(Kevin Reynolds/CoinDesk)

先月、ウォルマートの店舗でライトコイン(LTC)決済が可能になるという偽プレスリリースが出回ったため、CoinDeskは慎重にこのサービスをテストした。今回は本当だった。

試験サービスの関係者によると、偽プレスリリースの件があったため、ウォルマートはプレスリリースの発行を見送ったという。

関連記事:メディアはなぜ騙されたのか?ライトコインとウォルマートの偽発表文騒動

増加するビットコインATM

ビットコインATM業界は、新型コロナウイルス感染拡大もあり、急速に拡大している。コインスターは2020年、コインミーのビットコインATM機能に対応した端末を3500台から倍増させる計画を発表した。

最近では同社は、フロリダ州の食料品店に300台のビットコインATM対応端末を設置した。同社は2019年初めにコインミーと提携し、端末にビットコインATM機能を追加した。

だが、暗号資産を使った金融サービスを主流にする絶対的存在と以前から考えられているウォルマートは、さらに進んでいる。4700の店舗を持ち、時価総額4090億ドルにのぼる同社にとっては、200台の端末の試験導入はささいなものかもしれない。

ウォルマート、コインミー、そして国際送金を手がけるマネーグラム(MoneyGram)の緊密な関係から、低所得者向けの暗号資産を使った金融サービスの可能性が注目を集めている。だが、ウォールマートは暗号資産関連の計画については、詳細な説明は行っていない。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:ウォルマート店内のコインスター端末(Kevin Reynolds/CoinDesk)
|原文:Walmart Has Quietly Begun Hosting Bitcoin ATMs