カザフスタン・エネルギー省は国内の暗号資産マイニングの電力使用量を国全体で合計100メガワット(MW)に制限するようだ。電力不足の解消が目的。
同国の新しいエネルギー大臣が署名した10月1日付け大臣命令の草案によると、新しく認可された施設は2年間、電力使用量をわずか1MWに制限される。2年後に制限が解除されるかどうかは現時点では不明。
カザフスタンは中国で5月に暗号資産マイニングが規制されたため、現在、世界のビットコインマイニングに占める割合が第2位となっている。ケンブリッジ大学オルタナティブ・ファイナンス・センター(Cambridge Centre for Alternative Finance:CCAF)によると、世界のハッシュレート(ビットコインマイニングに使われる計算能力)の18%を占めている。
1MWという制限は、既存のマイニング施設が使用している電力量をはるかに下回っているが、多くの小都市が使用する電力量を上回っている。例えば今週初め、BIT Miningはオハイオ州のマイニング施設に投資し、運用能力を100MWに拡張すると発表た。
大臣命令は、公布の60日後に発効する。
電力需要の増加により、カザフスタンでは電力不足が課題となっている。同国最大の都市アルマトイ(Almaty)は7月中旬、全域が停電した。ロイターによると、10月には火力発電所が操業停止に陥り、電力不足がさらに悪化したという。
現地のニュースサイトのKazakhtan Todayは、9月30日の会議でエネルギー大臣が電力不足は暗号資産マイニングブームのためと非難したと伝えた。
大臣命令はまた、国内の電力網運営会社KEGOCに対して、出力5MW以上の発電所を10営業日以内に監査し、暗号資産マイニング事業者が発電所に接続するための技術要件を明らかにすることを求めている。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:カザフスタン最大の都市アルマトイ
|原文:Kazakhstan to Limit Power for Crypto Mining to 100 MW Nationwide