ビットコイン(BTC)は週末の下落から回復しており、トレーダーはアメリカで3番目のビットコイン先物ETF(上場投資信託)の取引開始に期待している。VanEck Bitcoin Futures ETFはティッカー「XBTF」で、26日に取引開始となる予定。アナリストはビットコインはさらに上昇すると見ている。
先週、アメリカ初のビットコイン先物ETFの取引開始を見越して、暗号資産ファンドは14億7000万ドルの流入超となった。また、アルトコインファンドも流入超となっており、ソラナ(SOL)が先週30%近く上昇したことと一致している。
アナリストは、アルトコインへの資金ローテーションにも注目している。アルトコインはビットコインのパフォーマンスを上回り始めている。
「暗号資産市場は、投機トレンドに乗りたい短期トレーダーが大勢を占めた状態から、さまざまなブロックチェーンの技術能力を評価する長期的な投資家が占める状態への変わりつつあり、ビットコインのドミナンスにチャレンジしている」とサクソバンク(Saxo Bank)のアナリスト、アンダース・ナイスティーン(Anders Nysteen)氏は調査レポートに記した。
最新価格
●ビットコイン (BTC):6万2813.67ドル、+3.3%
●イーサリアム(ETH):4191.45ドル、+3.53%
●S&P500:4566.48ドル、+0.47%
●ゴールド:1806.85ドル、+0.69%
●10年物米国債:1.64%
暗号資産ファンド、過去最高の15億ドルの流入超
先週、暗号資産ファンドは14億7000万ドル(約1670億円)の記録的な流入超となった。暗号資産市場の上昇とアメリカ初のビットコイン先物ETF(上場投資信託)の取引開始が後押ししたと、コインシェアーズ(CoinShares)が25日発表したレポートは記した。
ビットコインファンドが先週の資金流入のほとんど、99%を占めた。前週は7000万ドルだった。
ビットコイン・ドミナンス低下
ビットコイン・ドミナンス(暗号資産全体の時価総額に対するビットコインの割合)は先週、45%に低下した。ドミナンスの低下は、イーサリアムやソラナなど、複数のアルトコインが最近、ビットコインのパフォーマンスを上回っているためだ。
一部のトレーダーは資金をアルトコインにローテーションし始めており、リスク指向が高まっていることを示している。「全般的に、我々はビットコイン、イーサリアム、そしてアルゴランド(ALGO)やソラナ(SOL)のようなほとんどのレイヤー1ブロックチェーンをロングしている」と暗号資産取引会社QCP CapitalはTelegramに記した。
だが、アルトコインへの資金ローテーションは持続可能だろうか?
下図を見ると、ビットコイン・ドミナンスは9月中旬の40%の低水準から上昇している。同じような状況は、弱気相場が始まる前の2018年にも見られた。当時は、投資家がアルトコイン投資を削減し、ビットコインに相対的な安全性を求めたため、ビットコイン・ドミナンスが上昇した。
現在、ビットコイン・ドミナンスは、ビットコインが今年初めの下落から横ばいとなった7月の高水準48%から低下している。2018年2月~3月と同様に、トレーダーはこの1カ月でビットコインの急上昇に遅れをとったアルトコインを購入している。現状、一部のアナリストは暗号資産市場は通常、第4四半期(10−12月期)にプラスのリターンを生み出すことから、アルトコインがドミナンスをリードする状況は続くと予想している。
アルトコイン状況
●柴犬コイン、史上最高値を更新:柴犬コインは協定世界時(UTC)25日11時20分に0.0000455ドルとなり、5月10日に記録した0.0000388ドルを上回った。投資アプリのロビンフッド(Robinhood)がまもなく柴犬コインを上場するのではないかと噂されていた。
●ソラナも史上最高値を更新:ソラナ(SOL)も25日、218.9ドルまで上昇し、史上最高値を更新した。DeFi(分散型金融)データプロバイダーのDefi Llamaによると、ソラナの預かり資産(TVL)も約139.1億ドルと過去最高を記録した。
●イーサリアムは史上最高値更新も、ファンドは流出超:イーサリアムは21日に4361ドルの史上最高値を記録。だが、価格上昇にもかかわらず、先週、イーサリアムファンドは140万ドルの流出超となり、3週連続の流出超となった。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:Market Wrap: Bitcoin Rises Again as Altcoins Outperform