ビットコインのドミナンス低下、アルトコイン上昇──メタバースとゲーム関連に勢い

ビットコイン(BTC)はこの1週間、狭いレンジで推移した。一方、アルトコインやゲーム関連の暗号資産は大きく上昇した。

ソラナ(SOL)は今週約20%上昇し、4日には史上最高値を更新。イーサリアム(ETH)も3日、史上最高値4628ドルを記録した。

「イーサリアムを代替する暗号資産は依然として好まれている」とCrypto Finance AGのトレーダー、ダニエル・クカン(Daniel Kukan)氏は語った。

ビットコイン・ドミナンス

スタック・ファンズ(Stack Funds)のマシュー・ディブ(Matthew Dibb)氏によると、ビットコインのドミナンス(暗号資産全体の時価総額に対するビットコインの時価総額の割当)の低下は、アルトコイン人気の高まりを示しているという。

「この傾向は短期的に持続するだろう」(ディブ氏)

「どんな弱気相場でも、レイヤー1トークンは一貫した強さを見せてきた」(ディブ氏)

アバランチ(Avalanche/AVAX)は5日、史上最高値80.29ドルを更新し、1週間で約20%上昇、ポルカドット(DOT)も同様に約20%上昇した。

メタバース&ゲーム関連

仮想世界、いわゆる「メタバーズ」関連の暗号資産は、フェイスブックが「メタ(Meta」」に社名変更し、この分野への参入を発表したことでも注目を集めた。

「フェイスブックからメタへの社名変更によって、暗号資産市場はメタバース関連の暗号資産の将来価値を再評価している。先週まで、その多くはかなり過小評価されていた」とIntoTheBlockのリサーチアナリスト、ジュアン・ペリサー(Juan Pellicer)氏は述べた。

ユーザーがコンテンツやアプリケーションを収益化できるイーサリアム・ブロックチェーン上の仮想世界「ディセントラランド(Decentraland)」のネイティブ暗号資産ディセントラランド(MANA)は今週、90%近く上昇した。同じくNFT(ノンファンジブル・トークン)を使って、プレーヤーがゲーム体験を構築、所有、収益化できる「ザ・サンドボックス(The Sandbox)」のネイティブ暗号資産ザ・サンドボックス(SAND)は約130%の上昇を見せた。

プレー・ツー・アーン(プレーして稼ぐ)ゲームに関連する暗号資産も上昇した。「アクシー・インフィニティ(Axie Infinity)」の暗号資産アクシー・インフィニティ(AXS)は今週5%上昇。時価総額26億ドルのゲーム・コミュニティ・プラットフォームであり、バーチャルグッズのマーケットプレイス「エンジン(Enjin)」の暗号資産エンジンコイン(ENJ)は約30%上昇した。

エンジンは4日、分散型メタバース開発を目指すエコシステム内のプロジェクトを支援するために1億ドル規模のファンドを設立すると発表。ファンドは、クロスチェーンのNFT、デジタル・コレクティブル・アプリケーション、MR(複合現実)を活用したゲーム、バーチャル・イベント、マルチチェーン・インフラの構築に焦点をあてる。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:ビットコインの1週間の価格推移(CoinDesk)
|原文:Bitcoin Dominance Weakens as Altcoins Rally