分散型取引所(DEX)は2019年以降、大幅に成長。一方で、中央集権型、分散型を問わず、アクティブな取引所の数は減少している。チェイナリシス(Chainalysis)が9日発表したレポートで明らかになった。
暗号資産(仮想通貨)取引所の間の競争が激化するなか、トレーダー、特に大規模で熟練した暗号資産トレーダーは、イノベーションとスケーラビリティに優れた取引所を好んでいるようだ。
「DEXはきわめて高い人気を集めており、これは全般的なDeFi(分散型金融)の爆発的な成長と一致している」
アクティブなDEXの数は2019年から大幅に増加している。だが、アクティブな暗号資産取引所の数は、2020年8月の845件をピークに2021年8月には672件まで減少した。
チェイナリシスのレポートは暗号資産取引所をビジネスモデルと技術インフラに基づいて6つに分類した。中央集中型取引所、DEX、顧客確認(KYC)要件が少ないハイリスク取引所、店頭取引(OTC)ブローカー、デリバティブ取引所だ。
それによると2020年8月以降、大規模なDEXの数と受け取った暗号資産の額は飛躍的に増加している。
「DEXのユーザーは、中央集権型取引所のユーザーよりもはるかに大口の取引を行っている。これは、DeFiがより大きく、より確立された暗号資産市場を持つ国で人気があるためだろう。またそうした国は裕福な国でもあることが多い」
人気DEX「dYdX」のデビッド・ゴーゲル(David Gogel)氏はレポートの中で、DeFiユーザーの大部分は「収益の新しい源泉」を求める「経験豊富な暗号資産の投資家あるいはトレーダー」だと語った。
中央集権型取引所:依然として重要
レポートはまた、DEXの成長にもかかわらず、大規模な中央集権型取引所は依然として重要なプレーヤーになっていると指摘した。大規模な中央集権型取引所が2020年8月〜2021年8月に受け取った暗号資産の額は大幅に増加している。
「暗号資産が普及するなか、ほとんどの新規ユーザーはまず中央集権型取引所で暗号資産を購入するだろう。中央集権型取引所は通常、法定通貨をさまざまな暗号資産に交換できる最も簡単なサービスだ」(チェイナリシス)
また興味深い傾向として、取り扱っている暗号資産が多いほど、取引高も高くなっていた。しかし、ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)が、最も取引されている暗号資産であることに変わりはない。
「成長を続けている中央集権的取引所は、多様な暗号資産を提供し、最もアクティブなトレーダーにとって魅力的なものであり続けているようだ」とレポートは付け加えた。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Chainalysis
|原文:DEXs Have Grown the Most as Competition Among Crypto Exchanges Intensifies: Chainalysis