ビットコインは9日、上昇が弱まり、史上最高値6万8500ドル付近で買い手がある程度、利益確定を行ったことを示している。
ビットコインは1週間で約5%上昇、一方、イーサリアムは約3%上昇している。
短期的な下落となったが、一部のアナリストは12月に向けてビットコインとイーサリアムのさらなる上昇を期待している。
「年末に向けて暗号資産市場をしばしば包み込む、ポジティブ・センチメントが存在している」とスマートコントラクト監査会社HashExのバイスプレジデント、ガリナ・リキスカヤ(Galina Likhitskaya)氏はコメント。同氏は年末までのビットコインの価格ターゲットを約8万ドル、イーサリアムを約5500ドルとしている。
イギリスのデジタル資産ブローカーGlobalBlockのジョナス・ルーシー(Jonas Luethy)氏は「アナリストは上方ターゲットとして約7万5000ドルを掲げているが、価格が下向きに転じれば5万6000ドル前後の50日移動平均線まで下落する可能性がある」と述べた。
最新価格
●ビットコイン(BTC):6万7375ドル、+1.93%
●イーサリアム(ETH):4777ドル、+0.32%
●S&P500:4685ドル、−0.35%
●ゴールド:1832ドル、+0.42%
●10年物国債:1.43%
ビットコイン先物の建玉減少
アーケーン・リサーチ(Arcane Research)によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のビットコイン先物の建玉は、10月25日から32%減少し、現時点ではビットコイン先物市場における機関投資家の存在感は低下しているようだ。
この1カ月、ビットコイン先物の建玉の急増は、アメリカ初のビットコイン先物ETF(上場投資信託)が取引開始となった時期と一致している。「現在、建玉は大幅に減少しており、特に先物ETFによる増加を差し引くと、大幅に減少している」。
一部のアナリストは、少なくとも来年のどこかでビットコインの現物に連動したETFが承認されるまでは、ETFをめぐる市場の盛り上がりは弱まると見ている。
暗号資産ファンド、好調
暗号資産(仮想通貨)ファンドは先週、1億7400万ドル(約197億円)の流入超となり、年初からの流入額は89億ドル(約1兆円)に達した。2020年通期の流入額67億ドルをすでに大幅に上回っている。
運用資産残高(AUM)も過去最高の800億ドルに達し、ビットコイン(BTC)ファンドが約530億ドル、イーサリアム(ETH)ファンドが約200億ドルとなっている。
暗号資産別では、ビットコインファンドは先週、9500万ドルの流入超となった。年初からの流入額は64億ドル。イーサリアムファンドは3100万ドルの流入超となった。
アルトコイン状況
●Neon Labsが4000万ドル調達、EVMのソラナ導入目指す:Neon Labsは、ソラナ・ブロックチェーン上でイーサリアム・バーチャル・マシン(EVM)が利用できるソフトウェア環境「Neon」を開発している。開発者は使い慣れた言語でスマートコントラクトなどを構築できるようになるという。
●リップル、6つの暗号資産の流動性サービス:リップル(Ripple)は「Ripple Liquidity Hub」サービスを開始し、法人顧客にビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ライトコイン(LTC)、イーサリアムクラシック(ETC)、XRP(エックス・アール・ピー)を提供していく。将来的にはステーキングや利回りの提供、DEX(分散型取引所)から流動性を獲得する機能などを追加する予定
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk, TradingView
|原文:Market Wrap: Bitcoin Outperforms as Traders Prepare for Next Leg Higher