【市場動向】暗号資産市場、下落は安定──インフラ法案への懸念広がる

暗号資産市場は16日、ほとんどが下落した。一部の投資家がインフラ法案の成立に反応したことが影響したようだ。

「インフラ法案が成立したことで、暗号資産への規制や課税を懸念するトレーダーの売りが始まった」と暗号資産戦略プラットフォームAlpha Impactのヘイデン・ヒューズ(Hayden Hughes)CEOは16日、Seeking Alphaのニュースレターで指摘した。

ビットコインはこの24時間で約5%下落したが、その後、6万ドル付近で安定した。テクニカルチャートは売られすぎを示しており、アジアの取引時間中に価格は一時的に反発する可能性がある。

最新価格

●ビットコイン(BTC):6万128.20ドル、−5.96%
●イーサリアム(ETH):4234.64ドル、−7.55%

●S&P500:4,700.90、+0.39%
●ゴールド:1850.62ドル、−0.62%
●10年物米国債:1,637%

「ビットコインは10日前のレベルまで戻った。急落ではなく、数カ月にわたる上昇の修正」とDailyFXのニコラス・ラウリー(Nicholas Cawley)氏はコメントした。

現在のサポートレベルが維持されれば、ビットコインは最終的に今後数週間で史上最高値を更新するとラウリー氏は予想している。

「極端な強欲」が先細りに

ビットコインの「Fear & Greed Index」は、9月以来の高水準から低下し始め、市場参加者の極端な楽観が薄れ始めていることを示している。

「今日のビットコイン下落の後、インデックスは大幅に低下するだろう。だがこれは強気市場ではよくあることで、現状、必ずしもショーが終わったことを意味するものではない」とアーケーン・リサーチ(Arcane Research)は16日、レポートに記した。

軽度な買われすぎ

「暗号資産は今、軽度の買われすぎ状態になっている」と米投資顧問会社MRB Partnersのサンティアゴ・エスピノーザ(Santiago Espinosa氏は述べた。MRBの循環モメンタム(下図)は、この1カ月で売られすぎレベルから上昇している。

暗号資産のリスク指向は、極端な金融・財政刺激策に大きく動かされていると同氏は述べた。暗号資産には上昇余地があり、最終的に極端な買われすぎレベルに達する可能性がある。

今のところ「実質金利が制限されるまで、上昇は続くと考えている」とエスピノーザ氏は述べた。

アルトコイン状況

サプライチェーンでのNFT活用:暗号技術のビジネス利用を推進するCoin Sciencesは、同社プラットフォームのMultiChainをNFTに対応させた。NFTのビジネス活用、いわゆるエンタープライズNFTには、IBMやFabricなども取り組んでいる。

●Webブラウザ「Brave」、暗号資産ウォレットを内蔵:Braveは16日のアップデートで暗号資産ウォレットを内蔵。暗号資産の購入、ポートフォリオ管理、NFT(ノンファンジブル・トークン)の保有がセルフカストディ(ユーザーが自分の秘密鍵を保持すること)で行えるようになる。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Shutterstock
|原文:Market Wrap: Cryptocurrency Sell-Off Stabilizes Amid US Tax Concerns