南カザフスタンのマイニング施設、電力不足で閉鎖──最後のコンテナを運び出す動画をツイート

暗号資産(仮想通貨)マイニング会社「Xive」は南カザフスタンにある2500台のマイニング機器を備えた施設を閉鎖した。共同創業者のディダール・ベクバウ(Didar Bekbau)氏が24日、CoinDeskに語った。十分な電力が供給されなかったことが原因という。

カザフスタンは電力不足に悩まされている。中国から暗号資産マイニング会社が移動してきていることも一因。カザフスタン南部には大きな発電所がなく、電力が豊富な北部から電力を送るには送電網が不安定で、特に電力が不足している。

XiveやEnegixなどの暗号資産マイニング会社は9月以降、カザフスタンの電力会社KEGOCの送電制限によって問題に直面していた。KEGOCに取材を試みているが、まだ返答はない。

Xiveは、2500台以上のマシンを設置可能な新施設を準備しているが「南カザフスタンでのマイニングはもはや不可能なことは明らか」とベクバウ氏はコメントした。

ロシアやアメリカに移動

南カザフスタンの他のマイニング会社も、機器を移動させるための施設を探しているが、カザフスタン国内には「選択肢はない」と同氏は述べた。ロシアやアメリカに移設先を見つけた会社もあるという。

先月、カザフスタンのエネルギー省は新規マイニング施設の電力使用量を国全体で100メガワット(MW)に制限する規制案を発表。同省はその後、国の電力網に危険を及ぼさない限り、認可済みのマイニング施設への電力供給を制限しないと述べた。

最近、カザフスタン政府は暗号資産マイニング会社に再生可能エネルギーによる発電を奨励したいと発言。カザフスタンがこの先1~2年で再生可能エネルギーの発電能力を拡大すれば、制限は変更される可能性があることをマイニング会社は期待しているとカザフスタン・ブロックチェーン・テクノロジー協会の理事長、サパー・アクメトフ(Sapar Akhmetov)氏は述べた。

ケンブリッジ大学のBitcoin Electricity Consumption Indexによると、8月時点でカザフスタンはアメリカに次ぐ、世界2位の暗号資産マイニング大国となっている。

ベクバウ氏は11月24日、最後のマイニング機器を施設から運び出す様子を撮影した動画をツイッターに投稿した。

「南カザフスタンの当社マイニング施設を閉鎖するのはなんとも悲しい。最後のコンテナを送る準備ができた。多くの仕事、人々、希望が台無しになった。カントリーリスクが現れた」

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:カザフスタンの首都ヌルスルタン(Shutterstock)
|原文:Crypto Miner Xive Shuts Down South Kazakhstan Mine Due to Electricity Woes