ビットコイン(BTC)は11月30日、ほぼ横ばいで推移、イーサリアム(ETH)やソラナ(SOL)などのアルトコインは24時間で約5%上昇した。テラ(LUNA)は、インセンティブプログラムにトレーダーが集まり約13%上昇した。
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が金融政策の予想よりも早い引き締めの可能性を示したことで、世界中の市場は不安定な状況になった。暗号資産や株式などのリスク資産にマイナスの影響を及ぼす可能性がある。
だが、一部のアナリストはビットコインに対する強気姿勢を維持している。
最新価格
●ビットコイン:57,622ドル、−1.0%
●イーサリアム:4,661ドル、+5.4%
●S&P500:4,567、−1.9%
●ゴールド:1,775ドル、−0.5%
●米国10年債:1.436%
「ビットコインは6万ドル以下で想定どおり11月を終えそうなので、投資家はビットコインはきわめて強気で年末を迎えるという過去の傾向を繰り返すだろうと楽観視している」と資産運用会社8848 Investの共同創業者、ニキータ・ルデニア(Nikita Rudenia)氏はコメントした。ルデニア氏は年末までにビットコインは7万ドルになると予想している。
ビットコインオプション市場が弱気になっていることを懸念点にあげるアナリストもいる。「市場参加者が現物市場のヘッジやさらなる下落への投機に注目しているため、プットは上昇している」とデルファイ・デジタル(Delphi Digital)は30日、ブログに記した。
ビットコインのドミナンス、低下
ビットコインのドミナンス(暗号資産市場全体の時価総額に対するビットコインの時価総額の割合)は、この2カ月で約10%低下し、9月以来の低水準となっている。ドミナンスの低下は、アルトコインのパフォーマンスがビットコインを上回っていることを反映している。
一部のアナリストは、ビットコインからアルトコインへの資金の動きを投資家のリスク指向の高まりを示す指標と捉えている。
イーサリアム、高パフォーマンス
イーサリアムは史上最高値に近い4800ドル付近となり、過去24時間で約5%上昇した。テクニカル指標はもう一段の上昇の可能性を示している。
イーサリアム/ビットコイン(ETH/BTC)レシオは、この5カ月間の取引レンジを上抜けしそうだ。2日連続して0.080を超えると、ETH/BTCレシをはさらに上昇する可能性がある。
アルトコイン
●グレイスケール、ソラナの投資信託を発表:米暗号資産運用会社のグレイスケール・インベストメンツ(Grayscale Investments)が、ソラナ(SOL)の投資信託を発表した。同社にとって、ビットコイン、イーサリアム、ビットコインキャッシュ、ライトコインなどに続く、16番目の暗号資産投資信託となる。ソラナは今年、大幅に上昇し、年初の約1.5ドルから30日朝時点では214ドルとなっている。
●Crypto.comのCRO、大幅上昇:Crypto.comのクリプトドットコムチェーン(CRO)は、同社が米NBA人気チームの本拠地「ステイプルズ・センター(Staples Center)」の命名権を購入するなど、積極的な動きを見せたことで11月に3倍以上に上昇した。2016年に設立された同社は暗号資産取引所とクレジットカード事業を手がけ、時価総額は現在170億ドル(約2兆円)を超える。データサイトのメッサーリ(Messari)によると、CROは11月、時価総額100億ドル以上の暗号資産の中でトップのパフォーマンスを見せた。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk, TradingView
|原文:Market Wrap: Bitcoin Underperforms as Ether and Other Altcoins Rise