電子音楽プロデューサーの「デッドマウス(deadmau5)」とロックバンド「ポルトガル・ザ・マン(Portugal. The Man)」は、最新曲をプラチナディスク(100万枚のヒット曲)とするためにストリーミングサービスではなく、ノンファンジブル・トークン(NFT)に注目している。
彼らの最新曲「this is fine」は、NFTマーケットプレイス「Mintbase」で、12月2日から100万個のNFTコレクションとして独占販売がスタートした。
100万個のうち約25万個は「アート・バーゼル・マイアミ・ビーチ」にあわせて1個1.29ドルで販売、それ以外は単品、あるいはバンドル版として販売される(バンドル版の内容はまだ明らかになっていない)。Mintbaseの担当者は、2日朝の時点で6万8000個をサイトに掲載していると述べた。
業界標準を破壊
Apple MusicやSpotifyのようなプラットフォームが大きな影響力を持つ音楽業界では珍しいことだが、彼らがストリーミングサービスとそのきわめて不利な収益分配を避けたことは、業界標準を破壊するために何人ものミュージシャンがブロックチェーンを使った実験的取り組みに挑んでいることを示している。
コンサートのチケット販売から音楽ストリーミング、NFTマーケットプレイスまで、アーティストはNFTをソーシャル・トークンに似たものとして利用しており、クリエイターはNFT保有者に継続的に報酬を与えることができる(ポルトガル・ザ・マンはすでにソーシャル・トークンに取り組んでおり、1月にソーシャル・トークン・プラットフォーム「Rally」でPTMコインを発行済み)。
デッドマウスは最近、数多くの暗号資産関連プロジェクトに協力しており、音楽ストリーミングのDAO(自律分散型組織)を支援したり、アーティストのグレゴリー・シフ(Gregory Siff)とNFT関連のコラボレーションを行ったりしている。
「これは選択の問題。アーティストのためにこの方法を選択することであり、また一般の人々が広く選択すること。さらには誰にとっても簡単にするために、企業が協力してこの技術を選択することだ。私が銀行口座の残高を増やすために働くことではなく、すべてのアーティストが自分の作品をよりコントロールできるようにするために働くことだ」とデッドマウスは述べた。
※敬称略
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:NFTプロジェクトを宣伝するラッピングバス(Eli Tan/CoinDesk)
|原文:How a Collection of 1M Music NFTs Could Mint the Next Platinum Record
※※編集部より:タイトル、本文を一部修正して、更新しました。