米投資銀行ゴールドマン・サックスの暗号資産取引グローバル責任者、アンドレイ・カザンツェフ(Andrei Kazantsev)氏は2日に開催されたCoinDesk主催のパネルディスカッションで「我々が考えている次の重要ステップはオプション市場の発展」と語った。
同氏によると、暗号資産デリバティブ(金融派生商品)は株式や外国為替などの伝統的市場と比べると「商品としては初期段階」にあるという。
ビットコイン・オプション市場は、すでにこの2、3年で急速に成長している。ビットコイン・オプションの建玉(未決済の契約総数)はスキュー(Skew)のデータを見ると、約120億ドル(約1兆3000億円)となっている。2020年前半まで20億ドルを超えることはほとんどなかった。
投資家は、既存リスクをヘッジしたり、さらに利益を得るために暗号資産オプションを利用する。
「ビットコインを保有する会社の株式に投資するファンドがあるとすれば、その投資をヘッジするためにビットコインの先物取引を行うだろう」とカザンツェフ氏は述べた。
「そうした場合、本当の目的は、ポートフォリオをダイナミックにリバランスすることではなく、長期的なヘッジ。そのためにオプションはきわめて重要で、オプションには多様な選択肢があり、特定の投資をヘッジできる」(カザンツェフ氏)
今年初め、ゴールドマン・サックスは機関投資家などからの関心の高まりを受けて、暗号資産のトレーディングデスクの運営を再開している。
「我々は積極的に、顧客や市場に代わって流動性を提供したり、リスクを取っていく」とカザンツェフ氏は述べた。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
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|原文:Goldman Sachs Sees Crypto Options Markets as ‘Next Big Step’ for Institutional Adoption