マーケット:ビットコインは株式市場の上昇を追っている。
テクニカル分析:週末の下落を取り戻そうとしているビットコインだが、上値は限られているようだ。
最新価格
●ビットコイン:50,529ドル −0.10%
●イーサリアム:4,303ドル −0.6%
●S&P500:4,686、+2%
●NYダウ工業株:35,719ドル +1.4%
●ナスダック:15,686ドル +3%
●ゴールド:1,783ドル +0.1%
市場の動き
ビットコイン(BTC)は7日、概ね5万1000ドル付近で推移した。新型コロナウイルスの新しい変異株「オミクロン株」が経済に与える影響は小さいようだとの楽観的な見方が広がり、株式市場が大幅に上昇したためだ。
価格は過去24時間でわずかに下落。主要な中央集権型取引所での取引高は低迷した。イーサリアム(ETH)も約1%下落した。
ブロックチェーン分析会社Santimentによると、週末の大幅下落は「弱い手の追放」の結果とデータが示しているという。ビットコインのネットワーク実現利益/損失(network realized profit/loss:NPL)を見ると、4日の下落はNPLの今年最大級の低下を引き起こした。
NPLは、ビットコインが直近で動いたときの価格(Santimentは購入価格と推定)を再びアドレスが変わったときの価格(売却価格と推定)で割ったものだ。
NPLの低下は「週末に送金(=売却)されたかなりの量のビットコインは、前回のアドレス変更時(=購入)と比べると、損失を出して移された」ことを示しているとSantimentは7日の分析に記した。
つまり、ビットコインは「一部のビットコイン保有者の間でFUD(恐怖、不確実性、疑念)が高まっている」なか、短期的な下落圧力に直面する可能性があるとSantimentは結論づけた。
一方、アルトコインは値を上げ、特にテゾス(XTZ)、オーエムジー(OMG)、ハーモニー(ONE)が大きく上昇した。
テクニカル分析
ビットコインは週末の下落を取り戻そうとしているが、価格は5万3000ドル~5万5000ドル付近の短期的なレジスタンスに直面する可能性がある。
4時間足の相対力指数(RSI)は、極端な売られすぎのレベルから上昇、短期的には買いが活発に続く可能性を示している。しかし4時間足チャートの100日移動平均線を見ると、ビットコインはこの1カ月、下降トレンドにあり、価格上昇は制限される傾向にある。
週足チャートでも、価格モメンタムはまだ弱気になっており、ビットコインが短期的な下降トレンドを決定的に上抜けするには、まだ時間がかかりそうだ。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk/CryptoCompare
|原文:First Mover Asia: Bitcoin Rises on Encouraging Omicron News Before Falling Back; Ether Drops Slightly