【US市場】ビットコインは横ばい──Fear & Greed指数は逆張りサインとなるか

ビットコイン(BTC)は8日、ほぼ横ばいで推移した。一部の短期トレーダーは押し目買いしているが、多くは年末までの値動きに慎重な姿勢を見せている。

「衝撃的な下落にもかかわらず、市場は比較的落ち着いている。ビットコインとイーサリアム(ETH)のインプライド・ボラティリティのお決まりの急上昇はすぐに消え、ボラティリティの期間構造は上向きに戻り、短期的には恐怖やパニックが高まっていないことを示している」とQCP Capitalはテレグラム(Telegram)に記した。

またEtherscanによると、シンガポールのヘッジファンド、Three Arrows Capitalは週末に9万超のイーサリアム(約4億ドル、約455億円)を購入。数週間前には共同創業者Zhu Su(チュー・スー)氏が取引手数料が大幅に高騰していることを理由にイーサリアムに「見切りをつけた」とツイートしていた。

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最新価格

●ビットコイン:50,835ドル、+0.81%
●イーサリアム:4,422ドル、+3.21%

●S&P500:4,701、+0.32%
●ゴールド:1,785ドル、+0.07%
●米国10年債:1.52%

テクニカルチャートを見ると、最近の下落は「ビットコインや暗号資産(仮想通貨)への広範な投資を削減させる要因となる中期的モメンタムの喪失」を反映しているとフェアリード・ストラテジーズのケイティ・ストックトン氏はレポートで述べた。

だが最近のイーサリアムの好調さは、トレーダーがリスク資産を警戒している市場では珍しいとストックトン氏は指摘した。「イーサリアムの長期的な上昇トレンドは今回の下落の影響を受けておらず、長期的モメンタムは依然として上向き」。

規制面では、米下院金融サービス委員会は8日の公聴会で、暗号資産大手の幹部6人に取引やステーブルコインについて質問した。議論の焦点は、安全性についてのフレームワーク、取引の匿名性、暗号資産を既存の規制基準に組み込むことができるか、などだった。

ビットコインは恐怖モード

ビットコインのFear & Greed Indexは、週末の下落で7月下旬以来の低水準となった。一部のアナリストはこれを逆張りのサインと捉え、ビットコインが反発する可能性を指摘している。これまでの「極度の恐怖」は8月と10月に起きたように、価格上昇の前に見られていた。

出典:Arcane Research

リターン幅は縮小

ビットコインの年初からのリターンは、この1カ月でS&P500との差が縮まった。それでもS&P500の約22%に対して、ビットコインは約75%上昇している。

出典:CoinDesk

アルトコイン

ポリゴン(MATIC)、急上昇:ポリゴン(MATIC)はこの1週間で約25%上昇した。上昇は、ポリゴンの低コスト、効率性と拡張性の高さが多くのユーザーに認知されたことによるものだ。また、12月9日に開催されるバーチャルイベント「zk day」での「エキサイティングな発表」とポリゴンが呼んでいることについても憶測が広がっている。

アルトコインとイーサリアムの相関関係はさまざま:Coin Metricsによると、一部のDeFi(分散型金融)トークンはイーサリアムと高い相関関係にある一方で、ザ・サンドボックス(SAND)やディセントラランド(MANA)のようなメタバーストークンは相関関係は低いという。「今日、イーサリアムブロックチェーン上の複数のトークンは、イーサリアム自体とあまり結びついていないことを示しているようで、分散化の潜在的メリットを表している」とCoin Metricsは記した。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Arcane Research
|原文:Market Wrap: Cryptocurrencies Stabilize as Some Traders Buy the Dip