ビットコインのCO2排出量は普及の妨げ:ドイツ銀行

過去3年でビットコイン(BTC)の時価総額は700億ドルから1兆ドル以上に増加し、「年間の電力消費量は約4倍の200テラワット時(TWh)以上となった」と、ドイツ銀行は暗号資産(仮想通貨)業界の持続可能性についてのレポートで述べた。

最近開催されたCOP26(国連気候変動枠組条約第26回締約国会議)ではビットコインの環境への影響はほとんど議論されなかったが、ドイツ銀行によると、暗号資産ユーザーにとっては依然として重要な問題という。

「わずか1ビットコインのマイニングで、VISAの約20億件の取引よりも多くの二酸化炭素(CO2)を排出」し、わずか1ビットコインの取引で、アメリカの平均的な家庭に61日間電力を供給できる」と同行アナリストのマリオン・ラボーレ(Marion Laboure)氏は12月9日、レポートに記した。

「暗号資産の二酸化炭素排出量は普及を妨げる可能性があり」、7月時点で政府系ファンドの64%はESG(環境・社会・ガバナンス)問題についてのポリシーを持っているという。

76%は非再生可能資源

ドイツ銀行の調査によると、民間企業もカーボンニュートラルを打ち出している。また、世界の気温上昇を産業革命以前の2℃以内に抑えることを目的としたパリ協定には、197カ国が参加している。

暗号資産マイニングの二酸化炭素排出を考慮して、中国などの複数の国や規制当局は対策を講じているが、暗号資産の価値が増加するにつれ、「人々は特に規制されていない市場で、暗号資産をマイニングし、取引し、使用する方法を見つけるだろう」と同行はレポートに記した。

ドイツ銀行は「暗号資産の脱炭素化」に向けて、再生可能エネルギーへの移行、化石燃料を使用するマイニングの制限、プルーフ・オブ・ワーク(PoW)からプルーフ・オブ・ステーク(PoS)への切り替えなど、さまざまな方法をあげた。

現在、ビットコインのエネルギー消費の76%は、石炭などの非再生可能資源によって供給されているとレポートは指摘している。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:jwvein/Pixabay
|原文:Crypto’s Carbon Footprint Could Hinder Adoption: Deutsche Bank