ビットコイン(BTC)は12月15日、米連邦準備制度理事会(FRB)がテーパリング(量的緩和の段階的縮小)の加速を決めたことにトレーダーが反応し、4万9000ドルに向けて上昇した。アナリストの中には、FRBの決定はすでに織り込み済みで、トレーダーはすでにロングポジションを精算し、短期的な買い手にとっては魅力的な価格レベルとなっていると見る向きもある。
FRBは来年1月から毎月の債券購入額を300億ドルずつ減額する。これは現在の150億ドルの2倍のペースとなる。一部の暗号資産投資家はFRBによる毎月1200億ドルの量的緩和政策は、インフレヘッジとしてのビットコインの魅力を高めたと感がている。
現状、暗号資産市場は今月初めに下落した後、比較的安定している。ビットコインは24時間で約3%上昇、イーサリアム(ETH)は4%、ソラナ(SOL)は14%上昇した。
「最も可能性が高いのは、年末に向けてより不安定、あるいは横ばい推移となることだが、リスクオフ・イベントまたはボラティリティの上昇は、ビットコインおよび暗号資産市場全体に悪影響を与えるだろう」と暗号資産調査会社デルファイ・デジタル(Delphi Digital)は15日、レポートに記している。
最新価格
●ビットコイン:49,251ドル、+3.06%
●イーサリアム:4,057ドル、+5.87%
●S&P500:4,709ドル、+1.63%
●ゴールド:1,778ドル、+0.32%
●米国10年債:1.46%
ビットコイン、損失が加速
最近の調整局面でビットコイン保有者は実現損益が加速している。下落を恐れたトレーダーの売りによって、市場は一段と下落することもある。
「ビットコイン保有者の実現損益は加速しており、今回の調整局面で2度、10億ドルを超えるような傾向にある」と暗号資産データ会社グラスノード(Glassnode)はブログに記した。
6万9000ドル付近の史上最高値からの下落は、市場の慎重な姿勢を招いた。実現損失の加速は、市場がさらなる下落に対して神経質になっていることを示しているとグラスノードは述べた。
だが損失の拡大にもかかわらず、データは一部の投資家はビットコインを保有し続けていることを示している。例えば、取引所のビットコイン保有残高は2021年、減少を続けている。これはおそらく、投資家がビットコインを取引所で販売するのではなく、自身のウォレットで保有する傾向にあることを意味している。
アルトコイン
●ギャラクシーとブルームバーグ、ソラナファンドを立ち上げ:ギャラクシー・デジタル(Galaxy Digital)とブルームバーグ(Bloomberg)は11月にソラナのインデックスの提供を開始。新しいファンドはそのインデックスのパフォーマンスを指標としていると両社は述べた。ソラナの保有・管理はコインベース(Coinbase)が行う。
●アバランチのスケーリング能力:アバランチ(Avalanche)ブロックチェーンは、安全性と分散性を維持しながらスケーリングできるため、DeFi(分散型金融)プロジェクト、ノンファンジブル・トークン(NFT)、ゲームなどにおいてイーサリアムブロックチェーンに代わる信頼できる選択肢になるとバンク・オブ・アメリカはレポートで述べた。暗号資産アバランチ(AVAX)は現在、時価総額では12番目の暗号資産となっている。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Glassnode
|原文:Market Wrap: Bitcoin Bounces After Fed Decision; Analysts Expect Sideways Trading