全豪オープンがNFT発行、試合と連動した試み──メタバースにメインコート再現

全豪オープンは1月6日、ノンファンジブル・トークン(NFT)を発行するとともにテニスの4大大会、いわゆる「グランドスラム」として初めてメタバース(仮想空間)にも取り組むと発表した。

NFTはテニスボールをモチーフにデザインされ、6776個発行される。またメタバース「ディセントラランド」に会場の「メルボルン・パーク」が再現され、バーチャルイベントが開催される。

6776個のNFTは、6776区画に分割されたバーチャルテニスコートの1区画とランダムに紐付けられ、大会で行われる約400試合のウイニングショットの位置を実際に試合で使われる電子判定システムで特定し、6776区画のうちの1つに当てはめていく。

ウイニングショットに該当したNFTの保有者には、ウイニングショットの映像、バーチャルウエアラブル、全豪オープンのグッズが贈られる。

全豪テニスのNFT(Australian Open)

決勝戦のウイニングショットに該当したNFT保有者には、実際のぼーるが特注ケース入りで届けられるという。NFTは1月13日に1個0.067ETH(約350ドル)で販売され、バーチャルテニスコートでの位置はその後、決定される予定だ。

メタバースも

17日から始まる大会期間中、ディセントランドではバーチャルパーティーが開催され、ファンが賞品を獲得できるイベントが開催される。

プロジェクトリーダーのリドリー・プラマー(Ridley Plummer)氏は、バーチャル環境は「コンピューター画面を通して、オーストラリアの暖かい夏の雰囲気をもたらす」ものになっており、こうしたバーチャルイベントは今後も続けられる予定と語った。

ビッグピクチャー

新型コロナウイルス感染拡大によって、多くのイベントが中止や無観客開催に追い込まれるなか、今回の全豪オープンのようなバーチャルイベントの開催は一般的なものになる可能性がある。

ニューヨークのタイムズスクエアに面した高層ビル「ワン・タイムズスクエア」を所有する不動産会社は、大晦日の伝統イベントをディセントラランド上に再現し、世界中から多くの人が参加した。

「全豪オープンは以前から、最もイノベーティブで楽しいイベントの1つとして知られている。テニストーナメントにとどまらないエンターテイメントの祭典で、テニスの試合を見ずに8〜9時間を過ごす人もいる。メタバース参入は、次の論理的なステップだった」とプラマー氏は述べた。

メタバースに再現された全豪オープンのメインコート「ロッド・レーバー・アリーナ」(Australian Open)

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Australian Open
|原文:Australian Open Apes Into Tennis NFTs and Decentraland Too