【US市場】ビットコイン下落、ドミナンスも低下──イーサへの注目大きく

ビットコイン(BTC)は1月5日、株式市場とともに24時間で約4%下落した。だが一部のアナリストは、ビットコインは4万ドル〜5万ドルのレンジで安定し、ボラティリティは低いレベルにとどまると考えている。

過去1週間、ビットコインのパフォーマンスを上回っているアルトコイン──イーサリアム(ETH)、チェーンリンク(LINK)、インターネット・コンピューター(ICP)、ファントム(FTM)などに注目する人もいる。

また、2021年はじめに人気を失ったいくつかのDeFi(分散型金融)トークンも、まだ預かり資産(TVL)で見ると人気を維持している。

「おそらく、新たに登場した競合トークンと比べると(DeFiトークンは)、試練をくぐり抜けた、より安全な資本の保存手段と考えられているのだろう」とデルファイ・デジタル(Delphi Digital)はブログに記した。

今はアルトコインが注目されているが、このところ、ビットコインとイーサリアムの双方でボラティリティは低下している。

「ボラティリティの低下は構造的なものであり、2022年のテーマになるだろうと我々は考えている。とはいえ(直近のボラティリティの)下落は行き過ぎと見ている」と暗号資産取引会社QCP Capitalはテレグラムで述べた。

最新価格

●ビットコイン:43,943ドル、−4.98%
●イーサリアム:3,592ドル、−5.85%

●S&P500:4,700、−1.94%
●ゴールド:1,810ドル、−0.19%
●米国10年債:1.69%

ビットコインのドミナンス、低下

ビットコインのドミナンス(暗号資産市場全体の時価総額に対するビットコインの時価総額の割合)は5日、39%まで低下した。この数値は、ビットコインが弱気相場となっていた2018年4月以来の低水準。

通常、市場がパニックに陥った時期には、一部のトレーダーはリスクが高いとされるアルトコインを売却し、相対的に安全なビットコインを購入する。つまり、ビットコインのドミナンスは上昇しる。

しかし現状、アルトコインはビットコインを上回るパフォーマンスを続けており、投資家のリスク意欲が依然として強いことを示している。

ビットコインのドミナンス(TradingView)

ビットコインに迫る、イーサリアムの時価総額

イーサリアムの時価総額は、ビットコインの半分まで上昇している。

一部のアナリストは、暗号資産のNo.1をめぐる戦いを「フリッピング(The Flippening)」と呼ぶ。この1年、イーサリアムはアクティブアドレス、Google検索の関心度、取引回数など、いくつかの指標でビットコインに迫っている。

ビットコインに対するイーサリアムの時価総額(BlockchainCenter)

イーサリアムの時価総額の上昇は、投資家がビットコイン以外のリターンのチャンスを探していることを示している。

「ネットワークのスループットを高め、取引手数料を下げるためにイーサリアム財団は明確なスケジュールを定めている」と暗号資産運用会社アルカ(Arca)のケイティ・タラティ(Katie Talati)氏は述べた。

同氏は、イーサリアムブロックチェーンの改善は、多くの資金をイーサリアムに引き寄せる契機となり得ると考えている。

アルトコイン

チェーンリンク上昇:チェーンリンク(LINK)はこの2日間、主要暗号資産の上昇をリードした。CoinGeckoのデータによると、時価総額は120億ドルにのぼる。だが、2021年5月に記録した史上最高値52ドルから50%下落している。

●アルゴランド、メタバース参入:ドローン・レーシング・リーグ(DRL)とウェブ 3.0のゲーム開発会社プレイグラウンド・ラボ(Playground Labs)は、メタバース初のプレー・ツー・アーンのドローンゲームを開発するために、アルゴランド(Algorand)ブロックチェーンを採用した。DRLが5日、発表した。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:TradingView
|原文:Market Wrap: Bitcoin Dips as Dominance Over Ethereum Shrinks