いくつかの暗号資産価格が低迷の兆しを見せているなか、少なくともある指標は健全な状態を保っている。ブロックチェーン開発者数だ。
投資会社Electric Capitalが1月6日発表したレポートによると、暗号資産開発者のエコシステムは、月間のアクティブ開発者数や年間の新規開発者数などの複数の指標で過去最高を記録している。
同社パートナーのアヴィチャル・ガーグ(Avichal Garg)氏は、これは業界全体の健全性と成長を示す強固なサインだと述べた。
「開発者のエコシステムを我々は先行指標と考えている。エンジニアは本当の価値の一番近くにいる。そして、多くの人が参入し、取り組んでいることは良いサイン。エンジニアのような合理的な人たちにとって時間は貴重であり、時間をここで費やしていることは長期的なポジティブ指標となる」
開発者数は2017年後半から2020年半ばのような弱気相場の時でさえ堅調だったが、2021年の強気相場で大幅に増えたとガーグ氏は指摘した。
「参入した開発者がすべて残っているわけではない。弱気相場の間に多くの開発者が去った。だが、新たな開発者がそれらを相殺し、強気相場の間に増え続けている」
注目のブロックチェーン
増加を主導しているのは、イーサリアムやソラナのようなスマートコントラクト・プラットフォームに取り組む開発者だ。こうした開発者の65%は2021年にエコシステムに加わり、特に2500人の開発者がDeFi(分散型金融)に取り組んでいる。
イーサリアムは月間アクティブ開発者数が4000人にのぼり、他のブロックチェーンを大きく上回っている。だがガーグ氏はイーサリアム以外のレイヤー1ブロックチェーンの台頭に注目した。
ソラナは特に、月間アクティブ開発者数が900人弱と1年前のほぼ5倍になる「ブレイク」を見せている。
さらにテラ(Terra)がイーサリアムの成長パターンをほぼ追随し、アバランチ(Avalanche)が僅差で先行し、バイナンス・スマート・チェーン(Binance Smart Chain)は当初勢いがあったが、今は勢いを失っている。
イーサリアムの代替を狙うブロックチェーンの成長は目覚ましいが、複数のチェーンがイーサリアムの成長に匹敵するような動きを見せていることは、実はイーサリアムの開発者コミュニティがいかに早く形成されたかを示しているとガーグ氏は述べた。
「私にとって収穫の1つは、イーサリアムがこうした軌跡を経て成長してきたことは、本当に素晴らしいということ。エコシステムはきわめて小規模で、開発者の絶対数で言えば、イーサリアムの成長はきわめて印象的だ」
さらにガーグ氏は、レポートは究極的には今後の成長の可能性に焦点をあてていると付け加えた。
「月間1万8000人ほどのアクティブ開発者がいるが、例えば、JavaScriptには1600万人、ほぼ1000倍の開発者が存在する。プログラミング言語がどれほどの規模になり、どれほどの成功を収めたかなど、その急成長を語ることは、まだあまりにも早すぎる」
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Electric Capital
|原文:What’s the Healthiest Chart in Crypto? The Developer Count