暗号資産(仮想通貨)市場は先週急落した後、横ばいになり始めている。一部の指標では、投資家のセンチメントは極めて弱気レベルにあり、これは通常、買いの動きに先行する。だが他のテクニカル指標は、短期的に不安定な値動きが続く可能性を示している。
ビットコイン(BTC)は3万5000ドルを回復し、過去24時間で3%上昇。一方、ソラナ(SOL)は5%下落し、イーサリアム(ETH)はほぼ横ばいとなった。
だが「底打ち」と呼ぶには早すぎるだろう。「機関投資家の参入で市場構造が劇的に変化したため、ブル/ベアの判断は過去の市場サイクルほど明確ではないだろう」とGlobalBlockのアナリスト、マーカス・ソティリオウ(Marcus Sotiriou)氏はコメントした。
暗号資産金融サービス会社Aximetriaの創業者兼CEO、アレックス・アクセルロッド(Alex Axelrod)氏は「投資家は現状、価格が安定することを望んでいるため、ビットコインの回復は可能性が低い」と述べた。
最新価格
●ビットコイン:36,925ドル、+4.41%
●イーサリアム:2,448ドル、+0.88%
●S&P500:4,410、+0.28
●ゴールド:1,842ドル、+0.56%
●米国10年債:1.74%
下図を見ると、ビットコインのスポット(現物)取引高は増加している。価格の方向性は不透明だが、短期トレーダーは活発に動いているようだ。
短期保有者は損失
ブロックチェーンのデータを見ると、ビットコイン短期保有者の大半は損失が膨らんでいる。
下図を見ると、ビットコインの短期保有者の保有残高の18%は損失となっており、さらなる下落を招く可能性がある。同様のパターンは、2018年の弱気相場とその後の価格修正時にも見られた。
だが長期保有者は価格下落に動じていないようだ。「長期保有者の保有残高の割合は、緩やかな上昇トレンドに戻っており、長期保有者が現金化を望んでいないことを示している」と暗号資産データ会社グラスノード(Glassnode)は24日、ブログに記した。
暗号資産ファンドはプラスに
先週、数カ月で最悪の市場環境に投資家が苦しむなか、暗号資産(仮想通貨)ファンドは押し目買いの動きが見られた。
暗号資産運用会社のコインシェアーズ(CoinShares)が24日発表したレポートによると、暗号資産ファンドは1月21日までの7日間に1440万ドルの流入超となり、流出超は5週連続で終わった。
先週の資金流入はビットコインファンドが中心で、1380万ドルの流入超。一方、イーサリアムファンドは1560万ドルの流出超となった。
アルトコイン
●オープンシー、価格表示にバグ:NFTマーケットプレイス「オープンシー(OpenSea)」では、バグによって少なくとも3人の攻撃者が複数のNFT価格を大幅に操作し、巨額の利益を得た。攻撃者はNFTを古い、安価な価格で購入。その後、高値で販売した。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:Market Wrap: Bitcoin Stabilizes as Altcoins Underperform