ビットコイン、アフリカのソーラー発電プロジェクトに果たす役割

ビットコイン(BTC)を使って資金調達を行うソーラー発電投資コミュニティ「Sun Exchange」は、過去最高額の資金調達を完了したと発表した。

アフリカ南部の国ジンバブエの「ニンベ・フレッシュ(Nhimbe Fresh)」プロジェクトはベリー類や野菜を育てる約250の零細農家からなるプロジェクトで、98カ国1900人以上から約140万ドル(約1億6000万ドル)を調達した。そのほとんどの支払いはビットコインで行われた。

今も残る初期の野心的なプロジェクト

Sun Exchangeは2016年、ビットコインで資金調達を行ったソーラー発電プロジェクトを初めて発表。現在、50以上のプロジェクトに資金を提供し、900万ドル(約10億円)以上を調達している。今も積極的に活動を続けている、初期の野心的な取り組みのひとつだ。

「プロジェクトは主に学校、農場、スーパーマーケット、老人ホームで、その多くはアフリカ南部に位置する。ソーラー発電所を建設する資金はないが、借金も望んでいない」とSun Exchangeの創設者エイブ・ケンブリッジ(Abe Cambridge)氏は述べた。

ジンバブエのニンベ・フレッシュ農場で働く人々(Sun Exchange)

環境意識のスパイラル

Sun Exchangeの取り組みは、環境意識の高いビットコイン支持者とカーボンオフセットを組み合わせたものだ。事実、金融やエネルギーへのアクセスを可能にする民主化の哲学が、暗号資産とソーラー発電のバックボーンにあるとケンブリッジ氏は述べた。

「ビットコインをソーラー発電に投資すると、美しい好循環が生まれる。1ビットコインをマイニングするには、約320メガワットの電力が必要になる。だがビットコインをソーラー発電に投資すると、1ビットコインで購入したソーラーパネルは1時間あたり3.6ギガワットを生み出す。つまり、10倍以上のエネルギーになる」

Sun Exchangeでは、投資家はソーラーパネルなどの資産を所有でき、その後、20年にわたって利回りを得ることができる。利回りは南アフリカ共和国の通貨「南アフリカランド(ZAR)」で支払われ、ビットコインに変換した後、世界中の投資家のウォレットに送付される。

この好循環には他のメリットもあるとケンブリッジ氏は述べた。新興国における電力供給の安全性、信頼性、アクセス性の向上などだ。

例えば、ジンバブエのプロジェクトは、国の不安定な送電網に対処する蓄電池としての機能を備えている。アフリカ南部では、停電がしばしば発生している。

「私には、ビットコインの価値がこのプロジェクトのように有効活用されないことは、私にはエネルギーのとてつもない浪費に思える」とケンブリッジ氏は語った。

ジンバブエのニンベ・フレッシュ農場(Sun Exchange)

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:ニンベ・フレッシュ農場のソーラー・パネル(Sun Exchange)
|原文:How Bitcoin Contributions Funded a $1.4M Solar Installation in Zimbabwe