暗号資産(仮想通貨)取引サービスを手がけるコインチェックは1月28日、Web3.0の創造を後押しするスタートアップ企業を支援するプログラム「Coincheck Labs」を開始した。第1号として、日本発のパブリックブロックチェーン「Astar Network」を手がけるステイクテクノロジーズ(STAKE TECHNOLOGIES)に出資する。
Web3.0:Web3とも呼ばれ、ブロックチェーンなどのピアツーピア技術に基づく新しいインターネット構想で、Web2.0におけるデータの独占や改ざんの問題を解決する可能性があるとして注目されている。
Coincheck Labsは、起業家やスタートアップ、コミュニティの支援を通じてエコシステムの成長を促す。Layer1と呼ばれるブロックチェーンの基幹領域から、アプリケーション領域までのプロダクトを対象に「スタートアップ支援」「調査」「投資」を行う。
スタートアップ支援では、トークン設計や財務・会計に関するアドバイスを提供。さらに、ハッカソンなどのイベント運営も予定する。リサーチ機能として、GameFiを含めたブロックチェーン動向調査と情報発信を実施していくという。
コインチェックは、日本における暗号資産・NFT分野は会計・法律などのルールが不明確であることを指摘。専門知見を要するために、起業の難易度が高くなっていることを懸念している。
今後、暗号資産やNFTのプロダクトを開発するスタートアップが発行する株式やトークンへの出資を拡大する。同社の暗号資産取引サービスやNFTマーケットプレイスの運営ノウハウを、Coincheck Labsを通じて共有していく方針だ。
出資を受けるステイクテクノロジーズが開発するAstar Networkのトークン「ASTR」は、暗号資産取引所での取り扱いが始まっている。クラーケンやフォビグローバルに上場している。
|取材・テキスト:菊池友信
|編集:佐藤茂
|トップ画像:Stake Technologies発表文より