暗号資産(仮想通貨)投資家は、米連邦準備理事会(FRB)が利上げを加速するとの見通しを受け流し、ビットコインを買い増ししているようだ。
グラスノードが提供するブロックチェーンデータを見ると、1万8000ビットコイン(約6億7000万ドル、約770億円)以上が27日、中央集権型取引所から移動し、1カ月以上ぶりの純流出額を記録した。暗号資産取引所BitMEXだけで9500ビットコイン以上の純流出となった。
多くの投資家はビットコインを長期保有する際は取引所ではなく、直接保有することを選ぶ。つまり、純流出は強気センチメントを表すと考えられている。
WBTCは増加傾向
取引所からの移動(流出)は必ずしも受動的な投資を意味するわけではなく、投資家はしばしば中央集権型取引所から引き出したビットコインをイーサリアムブロックチェーン上でトークン化し、利回りを稼いでいる。
ラップビットコイン(WBTC)は年初から1万3000増え、前年からの増加傾向が続いている。WBTCはイーサリアムブロックチェーンと互換性を持つ「ERC-20」トークンの1つで、ビットコインと1対1で裏付けられている。
いずれにせよ、流出が増えていることは、取引所で販売可能なビットコインが減少し、価格が上昇する可能性が高くなることを意味する。
FRBは26日、インフレ抑制に向けた金融引き締め姿勢を強めた。利上げは米連邦公開市場委員会(FOMC)前は4回と予想されていたが、5回との見方が強まっている。
ビットコインなどのリスク資産は、FRBがインフレ抑制に注力していることから、引き続き下落圧力にさらされる可能性が高いと複数のアナリストはコメントしている。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Glassnode
|原文:Bitcoin Worth $670M Leaves Centralized Exchanges After Hawkish Fed Comments