【US市場】好調な2月を控え、ビットコインは3万8000ドル回復

ビットコイン(BTC)は31日、弱気センチメントが薄れ、3万8000ドルを回復した。過去24時間でビットコインは2%、イーサリアム(ETH)は4%上昇した。メタバーストークンのディセントラランド(MANA)とザ・サンドボックス(SAND)は、それぞれ17%と9%上昇した。

年初からの下落圧力は弱まりつつあるようだ。ビットコインオプション市場では、プット・コール・レシオ──プットオプション(売る権利)の建玉をコールオプションの建玉で割った指標──が30日、0.62と6カ月ぶりの高水準となった。プット・コール・レシオの上昇は通常、逆張り指標と見なされ、弱気センチメントがピークに近づいていることを示している。

過去を見るとビットコインは2月、プラスのリターンとなっており、強気トレーダーに希望を与えている。テクニカル指標は、3万5000ドル〜3万7000ドルのサポート付近で短期的な買いが続く可能性を示している。だが、4万5000ドルに向けての上昇は限定的だろう。

上昇したとはいえ、マクロ経済と規制のリスクが依然として大きいため、懐疑的な見方も続いている。

「バイデン政権が2月に国家安全保障の問題としてビットコインを規制する大統領令を発表しようとしているため、規制懸念が生まれている。大統領令が業界に良い影響を与えるか悪い影響を与えるかを予測するのは難しい」と英グローバルブロック(GlobalBlock)のアナリスト、マーカス・ソティリオウ氏はコメントした。

またFxProのアナリスト、アレックス・カプチケヴィッチ(Alex Kuptsikevich)氏は「暗号資産市場の状況は非常に脆弱なまま。ビットコインは3カ月連続の下落となる可能性がある」と述べた。

最新価格

●ビットコイン:37,696ドル、+5.55%
●イーサリアム:2,517ドル、+7.51%

●S&P500:4432、+2.43%
●ゴールド:1,790ドル、-0.17%
●米国10年債:1.78%

好調な2月

過去9年間、ビットコインは2月に平均12%のリターンを生み出し、86%の確率で2月をプラスで終えている(StockChartsのデータ)。一般的に第2四半期(4−6月期)は株式も好調で、つまりは投資家がリスク資産への投資を増やし始める可能性を意味している。

「特にビットコインが4万ドル、イーサリアムが3000ドルを回復すれば、反発に向けての短期的な条件が揃うと考えている」と暗号資産取引会社のQCPキャピタル(QCP Capital)は31日、レポートに記した。同社はまた、米連邦準備理事会(FRB)の利上げに対する市場の期待は3月までは緩やかになると予想しており、これは株式と暗号資産にはプラスになる可能性がある。

とはいえ、過去のリターンは将来のリターンを保証するものではない。

ビットコインの月別リターン(CoinDesk, StockCharts)

アルトコイン

メタ、ブロック主導のコンソーシアムに参加:メタ(旧フェイスブック)はジャック・ドーシー氏が率いる決済会社ブロック(Block:旧スクエア)が主導するコンソーシアム「Crypto Open Patent Alliance(COPA)」に参加する。COPAへの参加により、メタは「暗号資産のコア特許」を行使しないことを表明した20社以上の会社の1つとなる。

●ブローブロックチェーン、USDコインの取り扱いが可能に:米決済会社サークル(Circle)が手がけるの米ドル連動型ステーブルコイン「USDコイン(USDC)」は、NFTのパイオニアとして知られるダッパーラボ(Dapper Labs)が開発した高速ブロックチェーン「フロー(Flow)」上での発行・清算が可能になった。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk, StockCharts
|原文:Market Wrap: Bitcoin Rises Above $38K Ahead of Seasonally Strong February