ほとんどの暗号通貨は8日、下落し、今週初めの上昇は一時的なものかもしれないと思い起こさせた。
米司法省が2016年に起きた暗号資産(仮想通貨)取引所ビットフィネックス(Bitfinex)のハッキングに関連して、約36億ドル相当のビットコイン(BTC)を押収したと発表したことも、暗号資産市場の弱さを思い起こさせた。
ビットコインとイーサリアム(ETH)は過去24時間でそれぞれ3%下落、ソラナ(SOL)は7%下落した。エックス・アール・ピー(XRP)は3%上昇した。
トレーダーのセンチメントは改善しているが、一部のアナリストは短期的に不安定な値動きを予想している。
「取引高はまだ少ない。現状、ビットコインは昨年見られた3万ドル〜4万ドルのサポートレベルを維持しているが、まだ機器を脱していない」とBequantのリサーチ責任者、マーサ・レイエス(Martha Reyes)氏はコメントした。
最新価格
●ビットコイン:44,001ドル、-0.45%
●イーサリアム:3,108ドル、-1.51%
●S&P500:4,522ドル、+0.84%
●ゴールド:1,828ドル、+0.40%
●米国10年債利回り:1.95%
センチメント改善
ビットコインのFear & Greed Indexは先週、「極度の恐怖」から抜け出し、今はセンチメントの改善を示している。
「恐怖と不幸の中でほぼ3カ月を過ごした後、快適な『Greed(強欲)』エリアは、疲れた(ビットコイントレーダー)に高く歓迎されるだろう」とアーケーン・リサーチは8日、レポートに記している。
前回、この指数が極端な低水準から上昇したのは7月で、価格上昇に先行した。だが今回は取引高は低いままで、購買力の弱さを示している。特に規制やマクロ経済の逆風が依然として存在するため、短期的な下落やレンジ相場となる可能性がある。
「4万ドルが今後数日間、注目すべき最も重要なサポートレベルとなる」(アーケーン・リサーチ)
ビットコイン、イーサリアムに対して上昇
イーサリアム/ビットコイン(ETH/BTC)レシオが下落している。過去1週間、パフォーマンスの差は小さいが、ETH/BTCレシオの下落は、イーサリアムの相対的な弱さが短期的に持続する可能性を示している。
アルトコイン
●アクシー・インフィニティ、独自トークン「SLP」の供給量を削減:人気NFTゲーム「アクシー・インフィニティ(Axie Infinity)」では、プレーヤーは報酬として独自トークン「スムース・ラブ・ポーション(SLP)」を獲得。SLPはゲーム内でさまざまな機能と交換できる。SLPは、ガバナンストークンの「AXS」とは異なり、トークンの供給に上限がなかったが、アクシー・インフィニティは報酬システムを変更。1日のSLP供給量を50%以上削減し、持続可能性を高めようとしている。
●アルファロメオのNFT、車両データを記録:イタリアの高級車メーカー、アルファロメオは、新型SUV「トナーレ」のメンテナンス記録をブロックチェーンに保存するためにNFTを使用する。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Arcane Research
|原文:Market Wrap: Cryptocurrencies Pull Back in Light Trading