中央集権型取引所(Centralized exchange:CEX)は、証券取引所のような伝統的取引所と同様のビジネスモデルを用いて、大量の暗号資産(仮想通貨)取引を調整する組織。分散型取引所(DEX)に比べると高い手数料がかかるが、多くの場合、より安全で、使いやすい。
取引所は本質的にマーケットプレイスだ。多くの人々が同じ種類の資産を、同時に売買しようとするときに役に立つ。古くは、ニューヨーク証券取引所やロンドン金属取引所などがよく知られている。
暗号資産分野のよく知られたCEXには、Binance(バイナンス)、Coinbase(コインベース)、Gemini(ジェミニ)、Kraken(クラーケン)などがある。
暗号資産業界の中核
中央集権型取引所(CEX)は、取引を「決済」することで市場に参加する。通常、数量と価格を記した未決済の売買注文リストであるデジタルオーダーブックを持ち、買い手と売り手をマッチングして、資産が売却された直近の価格に基づいて、現在の市場価格を広く知らせる。
また多くの場合、暗号資産カストディ(保管・管理)などの補助的なサービスを提供し、取引を行う前にユーザーに暗号資産を取引所に預けることを求める。
世界4大会計事務所のひとつ、KPMGが2021年10月発表したレポートによると、取引所は暗号資産において最も価値あるビジネスだ。
2022年2月時点、CEXは分散型取引所(DEX)よりもはるかに一般的で、KPMGによると、取引所の暗号資産取引の約95%を占めている。
世界最大の暗号資産取引所はBinance(バイナンス)で、独自のDEXを持っているものの、大部分は中央集権型取引所だ。中央集権型取引所のBinanceは、1日あたり200億ドル(約2兆3000億円)以上の取引を処理している。一方、最大のDEXであるUniswap(ユニスワップ)は20億ドルに満たない。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
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|原文:What Is a CEX? Centralized Exchanges Explained