韓国最大のチャットアプリを展開するカカオ(Kakao)は、最近ローンチしたブロックチェーンネットワーク「クレイトン(Klaytn)」がイーサリアムよりも最大15倍速いと主張した。
カカオのブロックチェーン子会社グラウンドX(GroundX)は韓国の首都ソウルで記者会見を開き、クレイトンがブロックのマイニングをわずか1秒で行えるのに対して、イーサリアムでは約15秒かかると述べた。韓国の英字新聞コリア・ヘラルド(The Korea Herald)が2019年7月9日(現地時間)が報じた。
コリア・ヘラルドによると、ネットワークの高速処理能力のおかげで、イーサリアムのスループットが1秒間に20トランザクションなのに対して、クレイトンは1秒につき300トランザクションを処理できる。
グラウンドXのCEOハン・ジェスン(Han Jae-sun)氏は次のように述べた。
「モバイル(ブロックチェーン)サービスの初期バージョンということになると思います。レスポンスタイムの削減により、これまで不可能だと考えられていたプロジェクトの多くがいずれ実現する可能性があります」
グラウンドXは6月27日にクレイトンのメインネットのローンチを発表し、クレイトンはブロックチェーンサービスの一般普及を目的としていると語った。
ホワイトペーパーによると、クレイトンはコンセンサスノード(CN)とレンジャーノード(RN)というコンセプトを採用した、ハイブリッドアプローチで設計されており、スケーラビリティ(拡張性)と透明性の両方を実現しようとしている。
CNはネットワーク上に招待されたパートナーで、共同でプライベートブロックチェーンを形成し、ビザンチン・フォールトトレラント(BFT)性のあるコンセンサスアルゴリズムを実行することでトランザクションをまとめ、承認する。RNは、CNが作成したブロックをダブルチェックする役割を担う。誰でもネットワークに接続して、RNとして参加することができる。
今回の発表に際し、グラウンドXは、LGといった大手企業がクレイトンのガバナンス協議会に参加したと明かした。また、新しいブロックチェーンではすでに多くのプロジェクトが進行中で、それらは7月中にリリースされる計画だとも述べている。
翻訳:山口晶子
編集:町田優太
写真:Night traffic image via Shutterstock
原文:Kakao Claims Its New Blockchain Is 15x Faster Than Ethereum