【US市場】アルトコインが上昇、地政学的リスクは緩和

ロシアとウクライナの緊張がやや緩和され、暗号資産市場は上昇傾向となった。

ロシアのプーチン大統領は15日、ウクライナをめぐる緊張を緩和するため、西側諸国と「協力する用意がある」と述べた。またロシアは部隊の一部を撤退させていると報じられた。

株式と暗号資産は上昇し、ゴールドや米ドルのような伝統的な安全資産は過去24時間、下落した。

アルトコインが15日、上昇をリードし、トレーダーの間でリスク意欲が再び高まっていることを示した。イーサリアム(ETH)は過去24時間で8%、ビットコイン(BTC)は4%上昇した。

だが、ビットコインの取引高は、2月4日と2月10日の価格上昇時と比べると、依然として低いまま。そのため、一部のテクニカル指標によると、4万6000ドル〜5万ドル付近の上昇は限定的となっている。

最新価格

●ビットコイン:44,172ドル、+4.73%
●イーサリアム:3,115ドル、+7.60%

●S&P500:4,471、+1.58%
●ゴールド:1,855ドル、-0.67%
●米国10年債利回り:2.04%

過去数カ月、ビットコインの取引高は減少している。

ビットコイン取引高(CryptoCompare)

「現在、トレーダーは優柔不断に見え、市場センチメントは恐怖と強欲の間で推移し、ビットコインは4万2000ドルのサポートと4万6000ドルのレジスタンスの間で推移している」とArcane Research(アーケーン・リサーチ)は15日、レポートに書いている。「ビットコインがこのレンジをブレイクすれば、この先、市場は活発化するだろう」。

CryptoQuantがまとめた市場データによると、過去24時間、ビットコインの永久スワップ市場では売り注文が買い注文を上回った。これは短期的な売り圧力を示している。

強気センチメント、弱まる

ビットコインのFear & Greed Indexは、トレーダーがマクロ経済的な不確実性と地政学的な不確実性に反応し、再び「恐怖」領域に向けて低下した。だが現在の46という数値はニュートラルで、市場参加者の間に強い強気や弱気のバイアスがないことを意味している。

Fear & Greed Indexは、極端に低い値と極端に高い値の間で揺れ動くことがある。センチメントの頻繁なシフトは、短期的な売買チャンスを示すこともある。一方、取引ポジションに強くコミットしている人は、サイクルやトレンドのような穏やかな指標に注視する。

複数のテクニカル指標は長期的なトレンドの弱さを示している。

ビットコインのFear & Greed Index(Arcane Research)

アルトコイン

GALAが20%上昇、他のメタバーストークンをリード:ブロックチェーンベースのゲームプラットフォーム、Gala Games(ガラゲームズ)の暗号資産ガラゲームズ(GALA)が過去24時間で20%上昇、他の主要なメタバーストークンやMetaの株価を上回った。Gala Gamesは、NFT関連サービスを強化するために、来年中に50億ドルを投じると発表した。

JPモルガン:メタバース進出:米銀最大手のJPモルガン・チェースは「Decentraland(ディセントラランド)」に仮想店舗を開設し、メタバースに進出した初の銀行となったと発表した。また仮想店舗「Onyx(オニキス)」(Onyxは、同行のイーサリアムベースのサービスの名称)とともに、企業のメタバース活用についてのレポートも発表した。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
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|原文:Market Wrap: Altcoins Outperform as Geopolitical Concerns Fade