サイバーセキュリティーの専門家であり技術起業家でもあるジョン・マカフィー(John McAfee)氏は、仮想通貨アドバイザーとしてキューバ政府に協力する意志があると宣言した。
マカフィー氏がこの意向を明らかにしたのは、キューバ政府が米国の経済制裁を回避するために、仮想通貨を開発する意向を明らかにした直後のことだった。
ロイターの報道によると、マカフィー氏は、この仮想通貨プロジェクトは、実行可能であるだけでなく、かなりシンプルであると断言したという。実際、あまりにも単純であるため、同氏は無料で指導すると申し入れた。
「巧妙な通貨システムを利用して米国政府の禁輸措置を回避するのは簡単だろう。そこで私はツイッターを通じて、個人的なルートで無料で彼らを支援すると公式に伝えた」と同氏は述べたという。
キューバは、米国政府の愚行によって1400万人のキューバ国民に課された63年に及ぶ経済制裁を回避するために、仮想通貨を使おうと計画している。ついに、仮想通貨の大規模な実社会への適用が行われる。もしキューバが支援を望むのであれば、マカフィー氏はキューバの仮想通貨導入を支援すると話した。
米国の制裁を回避するために仮想通貨を利用するという考えは、貿易のために独自のデジタル通貨を作ろうとするベネズエラの取り組みに直接影響を受けているようだ。しかしマカフィー氏は、過去の失敗は誤った期待が原因だとしている。
「ただコインを作るだけで、それが受け入れられると期待することはできない」と同氏は述べた。
この技術の第一人者であるマカフィー氏によると、キューバが仮想通貨開発を成功させる鍵は、仮想通貨を同国の現実に適合させることだという。
「適切なブロックチェーンに基づいて、国や経済状況の固有のニーズを満たすように構成する必要がある」とマカフィー氏は言う。
フェアトレード
マカフィー氏がキューバ政府の仮想通貨開発支援に関心を持っているのは、プログラマーとしての自身の自由の理想と、彼がハバナで過ごした時間に基づいている。
マカフィー氏はまた、2020年の米国総選挙でリバタリアン党の大統領候補として出馬し、観光ビザを無期限に延長する計画だ。キューバ政府がマカフィー氏の提案を受け入れたかどうかは確認されていないが、彼は同国の仮想通貨開発支援に対して何度も協力の申し入れを行っている。
「(仮想通貨の作り方を)知っている人は世界に10人もいないだろうが、私は確実にそのなかの一人だ」とマカフィー氏は述べた。
翻訳:新井朝子
編集:町田優太
写真:Shutterstock
原文:John McAfee Offers to Build Cuba’s First Cryptocurrency