こんな時代がやってくるとは……。かわいい見た目の「ゆるキャラAI」にリアルな資産を運用してもらうという、なんとも大胆すぎるサービス「マイメイト」が2022年1月に本格稼働した。見た目に反してキャラの中身はガチの「強化学習型AI」。本格稼働前のシミュレーション期間に1万体以上のAI(エージェント)が誕生し、これまでの運用成績は「プラス」なのだという。これは、いったいどんなサービスなのか?
FXやAI取引を体験するきっかけに
マイメイトはFX取引(外国為替証拠金取引)のサービス「トライオートFX」や「くりっく365」を提供しているインヴァスト証券が提供する新サービスだ。そのため、マイメイトのエージェントたちが取り組むのもFXとなる。
資産運用の選択肢の一つとなるFX取引だが、これまで「興味はあっても勉強する余裕・きっかけがない」と感じていた人も多いのではないか。そうした「FXやAI取引のリアルな姿を知りたい、体験したい」という人にとってマイメイトは絶好の機会だ。
マイメイトのエージェントたちは、自動でシミュレーション取引を繰り返し、学習を積み重ねて、それぞれのトレーディング手法を編み出していく。彼らはユーザー自身がFX取引の仕組みや定石、攻略法を学んだりするのにも絶好の「パートナー」だ。そして、もしユーザーが十分に自信が持てるタイミングが来たら、そのエージェントに自らのリアルな資産を託すこともできるのだ。
気分は育成ゲーム?
サービス内にはエージェントのランキングも表示されている。そこでトップのエージェントは、とんでもない成績を叩き出している。
「こんなエージェントに勝てる日は来るのか……」と思う一方、「うちの子(エージェント)にも頑張ってほしい!」という気持ちが沸いてくるのは当然だろう。このあたりの感覚は、キャラクター育成ゲームに近いものがある。
ただ、育成ゲームとちょっと違うのが、「他人の作った優秀なエージェントに、自己資金を託すこともできる」点だ。わが子の成績が悪かったら、よそのエージェントに将来を託す……ちょっとドライな感じもする。
しかし、サービス全体を俯瞰してみると、「数々のエージェントたちが一緒になってFX市場というラスボスとバトルしている」という世界観で捉えることもできる。他のエージェントはライバルであると同時に仲間でもあるわけだ。
FX市場は一筋縄ではいかないものだ。どういったトレードが正解なのかは、状況の変化によって刻一刻と変わっていく。その過酷な環境の中、どのキャラが成功し生き残っていくのかを見守っていれば、壮大な英雄物語を見ているような気分になれるかもしれない。
エージェントの作成は「戦略を選ぶ」だけ
エージェントの作成は簡単だ。
まずは通貨ペアを選ぶこと。米ドル/日本円や、ユーロ/日本円、ポンド/日本円など、選択肢は16通貨ペア用意されている。
次に、エージェントが用いる「テクニカル指標」を選ぶ。こちらは、次の6種類から選べるようになっている。
(1)ボリンジャーバンド:移動平均線を中心に一定期間の価格の標準偏差を利用したバンドラインを描画したもの。トレンドとボラティリティ(価格変動の大きさ)を把握すると共に、売られすぎや買われすぎの判断も可能な指標。
(2)RSI:相場の過熱感(「買われすぎ」や「売られすぎ」の状況)を教えてくれる指標。
(3)エンベロープ:移動平均線の上下に一定幅で乖離させた移動平均線が引かれたもの。移動平均線からの乖離率やトレンド発生場面で利用される指標。
(4)MACD:2つの移動平均線を使用して売り買いのタイミングを判断するオシレーター系の指標。
(5)移動平均:ある一定期間の価格を平均化したもの。主に価格の方向性(トレンド)を見る指標。
(6)ストキャスティクス:レンジ相場で、相場の過熱感(買われすぎ・売られすぎ)を判断するオシレーター系の指標。
次に、AIが参考にする**「ニュース」**を選ぶ。マイメイトたちが活用するのは、世界のニュースやソーシャルメディア情報などを指数化した「トムソン・ロイター市場心理指数」をもとに、マイメイトのAI向けに独自改良したものだという。選べるのは次の4種類だ。
(1)「マーケット状況」
(2)「マーケットアナリストの相場予測」
(3)「ネット上の感情的表現」
(4)規制等の外的要因
次に、「バランス」「リスク回避」「リターン重視」の3種類から教育方針を選ぶ。最後に命名したら完了。これで「自分だけのエージェント」が誕生したことになる。
エージェントが実際にやってくれること
誕生したエージェントは1日1回、「売り」「買い」などの判断をする。場合によっては「取引しない」ことも。そして、エージェント1体につき、保有するポジションは1つだけだ。
マイメイト・エージェントのAIは「将来の価格予測」ではなく、「今どのようなポジションを持つべきなのか」に焦点をあてているという。
エージェントは、さきほど選んだ「テクニカル情報」と「ニュース」を参考にしながら、「こういう状況になったら売る」「こういう状況なら買う」といった判断を繰り返し、継続的に学んでいく。この「学習」は、週一回(土曜日)のタイミングで行われる。
学習の仕組み
マイメイトAIの最大の特徴は、「売買の判断」に、Googleが2016年に発表したA3C(Asynchronous Advantage Actor Critic)という先端の強化学習を応用していることだ。
強化学習「A3C」の特徴のひとつが、「分散学習」。それは、図にすると次のようなイメージになるという。
エージェントが創り出した「分身」たちは、それぞれ自由な判断でトレードのシミュレーションをしていく。そして、それぞれの判断・結果を総合判断し、教訓を見出していくわけだ。
実はエージェントは作成時に、過去3年間分のデータを学んだ状態で生まれてくる。ただ、相場の動き方、トレーディング手法は刻一刻と変化しており、「常に勝ち続けられる方法」は存在しない。以前は調子がよかったトレーディング手法でも、時期が変われば全然……ということは多々ある。だから、その後も常に「継続学習」が必要になってくる。
エージェントの育成にユーザーが関与できる点は、エージェントが前の週にした判断を週1回「ほめる」か「しかる」かするところだ。ほめてもよし、叱ってもよし、だが育て方次第では、強気なエージェントになることもあれば、トレードをほとんどしない弱気なエージェントに育ってしまうこともあるようだ。
なお、エージェントは毎日のログインや教育、取引などで貯まる「マイメイト・ポイント」で作り直せる。
これまでの実績は?
気になるのは、エージェントたちの実際の成績……なわけだが、今までのところ、プラスの実績を残している。
サービス開始直後の2019年7月24日から2021年12月31日までの期間だと、全エージェントを対象とした「マイメイトFX総合指数」では+332.6 pips。その時点で調子のいいエージェント100体をポートフォリオにし、定期的に入れ替えて運用した場合のベンチマーク「マイメイトFX100指数」では712.1pipsと、どちらも大きくプラスになっている[詳細はこちら]。
マイメイトのAIは「かわいいだけのゆるキャラではない」というのが、この成績からも伝わってくるだろう。
実運用に必要な金額は?
さて、そうはいっても実際にお金を託すとなると、色々と知っておきたいことがある。詳細なルールはこちらにあるが、まずなんといっても踏まえておきたいのは、FX取引が元本保証のないハイリスク・ハイリターンな取引だということ。投資は自分のリスク選好に合った範囲内で行うべきだ。
それでは実際、最低限必要なのは、どれぐらいの額なのか。
「エージェント」は1体あたり、最低取引数量が1万通貨という設定で、レバレッジは25倍までとなっている。そうなると、ドル/円のエージェントを稼働するのに最低限必要な資金(必要証拠金)は1ドル=114円の場合、4万5600円となる計算だ。
ただ、マイメイトによると、通常の運用では「最低でも必要証拠金の倍額」が必要。さらにマイメイトでは、エージェント1体だけではなく、複数のエージェントを組み合わせてリスクを分散化させる「ポートフォリオ運用」を推奨している。複数エージェントを安定的に稼働させるとなると、ある程度のまとまったお金は必要になってくる計算だ。
なお、マイメイトの画面上には必要証拠金が十分かどうかを5段階で示す「バランスメーター」が表示される。「これが上から2番めの『VERY GOOD』であれば、余裕分は確保できていると言える」(マイメイト)という。
遊び心と冒険心のある人へ
ちなみにポートフォリオは、自分でエージェントたちを組み合わせて自分で組むこともできるし、運営側が用意した「エージェントチーム」から選ぶこともできるという。どんなエージェントたちでチームを組めばいいのか、考えているとちょっと楽しくなる。
かわいいキャラたちで「ポートフォリオ」を組み、FX市場に立ち向かわせるのは、英雄たちでパーティーを組み、魔物と戦う冒険にでかけるファンタジー・ロールプレイング・ゲームにも似ている。
FX投資に挑戦してみたい。でも、単に数字を眺めているだけではワクワクしない……。投資にも「遊び心」と「冒険心」がほしいという人にとっては、これ以上はないサービスが登場したのかもしれない。
【マイメイト リスク・費用などについての重要事項】
本取引は、店頭外国為替証拠金取引であり、元本および利益が保証された取引ではありません。取引通貨の価格および金利等の変動により損失が生じるおそれがあります。
また、取引対象である通貨の金利の変動によりスワップポイントが受取りから支払いに転じることもあります。
有効比率が一定水準以下となった場合、建玉を自動的に強制決済(ロスカット)いたしますが、本取引は預託すべき証拠金以上の取引が可能なため、
急激な相場の変動等によっては、証拠金の額を上回る損失が発生するおそれがあります。
取引を開始されるにあたっては、本取引の仕組みやリスクを十分ご理解いただき、お客様自身の責任と判断で取引していただきますようお願いいたします。
●売買手数料は、新規注文・決済注文ともに無料です。
●投資助言報酬は、1,000通貨あたり1円(税込)となり、スプレッドに含まれます。
●本取引は、通貨ペアの売付けの価格と買付けの価格に差(スプレッド)があり、相場急変時等はスプレッドが拡大する場合があります。
●証拠金の25倍までのお取引が可能です。新規約定日においては、新規約定価格を基準価格として、その価格に応じた必要証拠金額(円換算)を適用いたします。翌営業日以降においては、各通貨ペアの毎営業日の終値を基準価格として、その価格に応じた必要証拠金額(円換算額)を翌営業日に適用いたします。
法人は新規約定日においては新規約定価格に対し、金融先物取引業協会公表の為替リスク想定比率を加味した金額(円換算額)です。翌営業日以降においては各通貨ペアの毎営業日の終値に対し、金融先物取引業協会公表の為替リスク想定比率を加味した金額(円換算額)を翌営業日に適用いたします。
マイメイトのリスク・重要事項については、インヴァスト証券ホームページを必ずご覧ください。
リスク費用などの重要事項
インヴァスト証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第26号
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