ビットコイン(BTC)をはじめとする暗号資産(仮想通貨)は、ロシアのウクライナ侵攻を受けて24日、急激な価格変動となった。
バイデン大統領は24日、ロシアへの追加制裁を発表。ロシアの攻撃は、暗号資産など世界中の投機的資産の下落を引き起こした。
暗号資産全体の時価総額は1.5兆ドルまで減少、約9%を失った。ビットコインは24日早くの下落から回復し、当記事執筆時点では3万8000ドル超となっているが、24時間で7%下落した。ほとんどのアルトコインはビットコインよりも下落した。
「オプションの取引高を見ると、多くの投資家はデリバティブでリスクヘッジしながらロングポジションを維持している可能性がある」とFundStratのショーン・ファレル(Sean Farrell)氏はコメントした。
「先週と同様に、6カ月超の時間軸でロングポジションを維持し、押し目買いの準備をすることが賢明と考えている」(ファレル氏)
最新価格
●ビットコイン:38,456ドル、+1.84%
●イーサリアム:2,645ドル、+0.75%
●S&P500:4,289、+1.50%
●ゴールド:1,898ドル、-0.61%
●米国10年債利回り:1.97%
売りは出尽くしたか?
CoinDeskのデータによると、主要暗号資産取引所におけるビットコインの取引高は1カ月ぶりの高水準。一般的に取引高の多い下落は、売り手の「降伏シグナル」を示している可能性がある。
一方、テクニカル分析では、チャート上に通常、価格の短期的な上昇に先行する下落の枯渇サインが見られる。
テクニカルリサーチ会社Fairlead Strategiesのケイティ・ストックトン氏も、ビットコインの短期的な上昇トレンドのサインに気づいている。「これで、ビットコインが確定的なブレイクダウンを回避できることを願っている」。
3万7361ドルを下回ると弱気となるが、ストックトン氏の分析によると、現在の売りは24日で出尽くし、今後、2週間程度は横ばいになる可能性があるとしている。
安全資産への逃避
リスクオフは、ロシアとウクライナの紛争が本格化する以前から、今年の大きなテーマだった。
下図は、米国長期債が株式と連動して推移し、投資家にとっては、ほとんどリスクヘッジとなっていないことを示している。一方、ビットコインは伝統的資産のパフォーマンスを大きく下回っている。また、ゴールドは安全資産としての地位を維持している。
とはいえ、資産のリターンの差は縮小しており、過去1年で見ると、ビットコインはまだ他の資産を上回っている。
アルトコイン
●ステーブルコインのテザー(USDT)、ウクライナでは1ドルを大きく上回る:ロシアの侵攻以降、ウクライナでは米ドル連動型ステーブルコインのテザー(USDT)が上昇している。ウクライナで人気の暗号資産取引所KunaでのUSDT価格は24日、24時間で約5%上昇し、約1.10ドルとなっている。
●レイヤー1トークン、上昇が帳消し:コスモス(ATOM)は23日に7.2%上昇したが、24日に9.2%下落。同様にアバランチ(AVAX)も7.6%下落した。ロシアのウクライナ侵攻を受けて大きく下落したあと、多少回復したが、全体的なセンチメントはまだ弱気。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Shutterstock
|原文:Market Wrap: Bitcoin Stabilizes Amid Geopolitical Uncertainty