米コインベース(Coinbase)の株価は、同社が好調な第4四半期(10−12月期)決算を発表したものの、2022年第1四半期(1−3月期)は厳しい状況になると述べたことで、24日の取引時間外に下落した。
FactSetによると、第4四半期の売上高はアナリスト予想の20億ドルに対して、25億ドルとなり、1株利益は予想の1.94ドルに対して、3.32ドルとなった。
第4四半期の取引高は5470億ドル、第3四半期の3270億ドルから増加。月間取引ユーザー数(MTU)も、第3四半期の740万から、第4四半期は1140万となった。
だが、複数の暗号資産が史上最高値を記録した第4四半期に対して、マクロ経済的要因と地政学的な不安定さから、暗号資産のボラティリティと価格は低下しており、第1四半期の月間取引ユーザー数と取引高は減少するとコインベースは予想している。
暗号資産取引会社Dexterity Capitalのマネージングパートナー、マイケル・サファイ(Michael Safai)氏は、コインベースがビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)だけでなく、収益源を多様化していることを考慮すると、好調な第4四半期決算に驚きはないと述べた。同氏は、2021年初頭には40%程度だったアルトコインの取引高が、現在は70%近くを占めていると指摘した。
「NFTマーケットプレイスや合法の暗号資産をすべて上場する計画など、すべてのサインがこの戦略が続くことを示している」(サファイ氏)
2022年の見通しについてコインベースは、月間取引ユーザー数は500万〜1500万と予想していると述べた。「これは通常よりも広い予想数値となっており、2022年の予想も幅広いものとなっている。つまり、我々は近い将来の見通しを明確には持っておらず、現状では、正確な予想を提供することは時期尚早」と声明で述べた。
また2022年に「アグレッシブな」事業投資を計画しているが、起こりうるさまざまな市場コンディションに備えると述べた。「事業が計画を下回る大きな下落となった場合、我々は投資をスローダウンし、調整後EBITDAを約5億ドルの損失に抑える」。
コインベースの株価は24日、時間外で約5%下落した。株価は年初から約30%、2021年4月にナスダックに上場してから50%近く下落している。
CFOのエミリー・チョイ(Emilie Choi)は、同社はNFTを「ゼロサムゲーム」とは見ておらず、競合が出現するチャンスがあると見ていると述べた。さらに、CEOのブライアン・アームストロング)Brian Armstrong)氏は、先行する人気NFTマーケットプレイスのオープンシー(OpenSea)を打ち負かすことが目標ではないと述べ、NFT市場は成熟していると語った。
アームストロングCEOはまた、NFTはデジタル・アートワークだけではなく、はるかに大きくなるとも語った。コインベースはNFT事業の拡大を計画しており、昨年秋には、同社のNFTマーケットプレイスは発表初日に100万人以上の登録待ちが発生したと伝えられた。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
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|原文:Coinbase Beats Q4 Estimates, but Shares Fall on Outlook