東京証券取引所の25日前場は一時2万6400円台をつけ、2営業日前の終値水準を回復した。ビットコイン価格も10%超上昇して3万8848ドル(444万409円、13時20分時点)と440万円台を推移しており、ロシアのウクライナ侵攻開始の影響を受けた下落を取り戻した。
アメリカ株は高い。24日終値でナスダック総合指数は3.34%の上昇。FRBが利上げを見送る可能性が浮上しており、今後のリスク資産の値動きに影響を与えそうだ。
ロイターによると、ロシアは石油輸出で世界2位であり、供給に影響が出る懸念がある。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場価格も一時、100ドルを超え、約7年7カ月ぶりの高値を記録した。岸田首相は25日の記者会見で、ガソリン価格抑制に向けた補助金を引き上げることを表明。政府も対応に追われている。
ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場では、安全資産とされる金に買いが集まり、1976ドル台まで急伸。現在は、1913ドル近辺で取引されている。
投機的リスクマネーとビットコイン
アメリカによるロシアへの経済制裁が打ち出されている。ブルームバーグによると、24日、バイデン大統領は追加制裁を発表。ロシア最大の銀行ズベルバンクなど金融機関で、資産凍結の額は1兆ドルと推計されている。なお、国際送金システム「スイフト(Swift)からロシアを除外することは、欧州の反対もあって見送られた。
Kraken(クラーケン)で日本代表を務める千野剛司氏は、「ビットコインは、特定の国や組織の信用リスクがないため、理論的には金のような『安全資産』、すなわち有事の際に資金の逃避先となる可能性がある」と指摘。
一方で、「現在のビットコイン市場は、長引く金融緩和を背景として投機的なリスクマネーが相当量入っているとみられ、こうしたリスクマネーはマーケットイベントに対する感応度が高いといわれている」とし、「短期的には株式などのリスク資産との相関が高まり、ビットコイン相場の先行きはリスク資産同様不透明なものとなる可能性がある」と推測する。
|取材・テキスト:菊池友信
|編集:佐藤茂
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|編集部より:株価を訂正し、記事を更新しました。