住友商事グループと石油メジャーのシェル(Royal Dutch Shell Plc)傘下のベンチャーキャピタルは、ブロックチェーンを基盤とした個人間(P2P)の電力取引プラットフォームを開発する米LO3 Energyに出資した。
オレゴン州ポートランドに拠点を置くLO3 Energyは7月10日(現地時間)、住商グループとシェル・ベンチャーズ(Shell Ventures)からの投資を発表。住友商事は11日、同社と米州住友商事がLO3 Energyへの出資をしたと開示した。出資額は開示していない。
LO3 Energyは、ブロックチェーンを基盤としたP2P電力取引プラットフォームを構築。2016年には世界初となるP2P電力取引である「ブルックリン・マイクログリッド」を実施した。ブルックリン・マイクログリットは、ニューヨーク州ブルックリン地区で、太陽光発電などによる電力を個人間で売買できるというもの。
近年、先進国を中心に家庭や企業による余剰電力取引が増加する中、柔軟な取引を可能にするプラットフォームのニーズは高まっている。
住友商事・電力インフラ事業本部長の野中紀彦氏は発表文で、「急激な変化とイノベーションが起きる電力業界で、我々は今後、LO3 Energyが創出する新たな事業フィールドにおいて事業の拡大を図っていく方針だ」と述べている。
LO3 EnergyのCEO(最高経営責任者)、ローレンス・オルシニ(Lawrence Orsini)氏は発表文の中で、「LO3 Energyがブロックチェーンを基盤とするエネルギーネットワークの世界展開を図る上で、シェルと住友からの投資は重要なものである」と述べた。
文:小西雄志
編集:佐藤茂
写真:LO3 Energy提供