ルーブル建てビットコイン取引高、9カ月ぶりの高水準──投資家はルーブルから逃避

ウクライナ侵攻の影響でロシアの通貨ルーブルが過去最安値まで下落するなか、ルーブル建てビットコイン(BTC)取引高は9カ月ぶりの高水準まで増加した。

パリに拠点を置く暗号資産(仮想通貨)調査会社カイコ(Kaiko)のデータによると、ルーブル建てビットコイン取引高は24日に約15億ルーブルまで増加、2021年5月以来の高水準となった。

カイコのリサーチアナリスト、クララ・メダリー(Clara Medalie)氏は「取引はバイナンス(Binance)に集中した」と述べた。

「ビットコインとウクライナの通貨フリヴニャの取引高も増加したが、2021年10月ほどではない。ビットコインとフリヴニャの取引ができるのは、バイナンスとローカルビットコイン(LocalBitcoin)の2つの取引所のみ」。

米ドル連動型ステーブルコインのテザー(USDT)とルーブル、テザーとフリブニャの取引高にも同様の傾向が見られたとメダリー氏は述べた。

カイコのデータを見ると、テザー/ルーブル(USDT/RUB)の取引高も24日、8カ月ぶりの高水準となる13億ルーブルまで急増している。

テザー/ルーブル(USDT/RUB)の取引高(Kaiko)

ルーブルを使った暗号資産取引高の急増は、西側諸国の厳しい制裁措置を恐れて、投資家がルーブルから逃避しているためだ。

ブルームバーグのデータによると、ルーブルは先週8%を超えて下落して1ドル=90ルーブル台、28日早くには1ドル=110ルーブル台となった。一方、ゴールド、米国債、ドル、スイスフランは、安全資産として恩恵を受けている。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Kaiko
|原文:Ruble-Denominated Bitcoin Volumes Surges to 9-Month High