ウクライナ・デジタルトランスフォーメーション省は、8つの暗号資産(仮想通貨)取引所にロシア人ユーザーへのサービスの停止を求める公式文書を送付している。デジタル通貨が制裁回避に利用される懸念がその理由だ。
入手したリストによると、8つの取引所とは、コインベース(Coinbase)、バイナンス(Binance)、フォビ(Huobi)、クーコイン(KuCoin)、バイビット(Bybit)、Gate.io、ホワイトビット(Whitebit)、それにウクライナの暗号資産取引所のKuna。
公式文書が送付される前の27日夜には、ウクライナの副首相兼デジタルトランスフォーメーション大臣のミハイル・フェドロフ(Mykhailo Fedorov)氏が主要暗号資産取引所にロシア人ユーザーのアドレスをブロックするよう求めた。
取引所の反応
バイナンスは、ロシア人ユーザーをプラットフォームから一方的に排除する予定はないとコメントした。
「しかし我々は、無関係なユーザーへの影響を最小限に抑えながら、制裁措置を受けているものに対して確実に対応するために必要な措置を取っている。国際社会が制裁措置をさらに強化した場合、我々も積極的に対応する」(バイナンス広報担当者)
米財務省は28日、ロシア人の制裁回避を阻止するために規制を強化した。新たな規制は「デジタル通貨やデジタル資産の使用、あるいは物理的な資産の使用をはじめ、アメリカのあらゆる制裁措置を回避するための欺瞞的あるいは計画的な決済や取引」を禁止した。
ウクライナのデジタルトランスフォーメーション省の担当者によると、今回の通知は、8つの暗号資産取引所に対して、ロシアの決済システムをはじめ、ロシアの通貨ルーブルを使ったサービスの停止を要請している。同省はまた、8つの取引所に対して、ロシア人ユーザーの使用をブロックするよう求めたもの。
コインベースは声明で、ロシアのアドレスを含む取引の全面的な禁止は行わないが、制裁措置の対象となった個人または組織・団体に関わる可能性のあるアカウントや取引はブロックすると述べた。
「(我々の)ミッションは経済的自由を高めることであり(中略)、一方的かつ全面的な禁止はロシアの一般市民を罰することになる」(コインベース)
クラーケン(Kraken)のジェシー・パウエル(Jesse Powell)CEOも27日夜、同様の発言を行い、法的な要求がない限り、ロシア人ユーザーのアカウントを凍結することはないと説明した。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Shutterstock
|原文:Ukraine Asks Binance, Coinbase, 6 Other Crypto Exchanges to Block Russian Users