トヨタ系のデンソーにサイバー攻撃、身代金要求か:報道

トヨタ自動車グループ部品メーカーのデンソーは14日、同社の関連企業が不正アクセスを受けたことを明らかにした。

日本経済新聞やNHKなどの報道機関は、サイバー犯罪集団がデンソーのドイツ拠点から機密情報を盗み出し、外部に流出させない見返りに取引を要求していると報じていた。

日経の報道によると、「Pandora(パンドラ)」を名乗る集団が13日、「デンソーの機密データを盗み、公開する」との趣旨の声明を掲載したという。攻撃を受けたのはドイツの現地法人で、設計図や発注書の画像、メールやプリンターの印刷データなどが盗まれていると見込まれる。

NHKによると、「Pandora」は身代金要求型のコンピューターウイルス、ランサムウエアを使って、企業のデータを暗号化して見られなくするサイバー攻撃を仕掛けるという。また、要求した身代金が支払われない場合は、盗み出したデータを公開すると、脅迫する手口で犯行を行っているとされている。

デンソーは公式発表で、現時点で生産活動に支障はないとしている。coindesk JAPANが、身代金として暗号資産(仮想通貨)を要求されているかについて問い合わせたところ、デンソー広報部は「今後の捜査などへの影響もあり、回答を控えさせていただきく存じます」と答えた。

トヨタグループでは2月、トヨタ自動車の取引先の小島プレス工業がランサムウェアの被害を受けた。その影響により、トヨタの国内工場が一時操業できなくなる状態に陥った。東海テレビによると、デンソーに対するサイバー攻撃による、トヨタ自動車への影響はないという。

|取材・テキスト:菊池友信
|編集:佐藤茂
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|編集部より:デンソーの回答を追記し、記事を更新しました。