インフレは、ウォール街だけでなく、広く一般的にも大きな関心事となっているようだ。
米電気自動車大手テスラのイーロン・マスクCEOは13日夜に「今後数年間のインフレ率をどう考えているか?」とツイート。インフレ時には現物資産を購入することが最善の方法となることが多いが、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ドージコイン(DOGE)を保有し続けるだろうと述べた。
Google トレンドの数値は「100」に
食料、エネルギー、住宅の価格高騰により、アメリカのインフレ率は40年ぶりの高水準に達しており、ロシアのウクライナ侵攻が状況を悪化させると予想されている。
イエレン財務長官は「対前年比のインフレ率が非常に不快なほど高い状態はもう1年続きそうだ」と先週、CNBCのインタビューで語った。ウクライナ情勢はインフレを悪化させ、今後のインフレ率の発表は「プーチン大統領のウクライナ戦争がアメリカのインフレに与えた影響のさらなる証拠」となるだろうと付け加えた。
世界中の人々も、継続的なインフレを心配しているようだ。Google トレンド(Google Trends)を見ると、「inflation(インフレーション)」という検索キーワードの数値は「100」に急上昇している。
「100」は、ある用語の一定期間の検索数が最大数に達したことを示し、人気や関心がピークに達したことを表す。つまり、多くの人々が物価上昇を懸念し、状況がどの程度悪化するか、さらにそのリスクを回避する方法に関する情報を求めて、ウェブを検索している。
「デジタルゴールド」は揺るがず
暗号資産コミュニティ、そしてマスク氏やマイクロストラテジーのマイケル・セイラーCEOのような人たちは、ビットコインをインフレヘッジ、つまりデジタルゴールドと考えている。
「米ドルの消費者物価インフレは史上最高水準が続き、資産インフレは消費者物価のインフレの2倍の速さで進むだろう。弱い通貨は崩壊し、現金、債権、そしてバリュー株から、ビットコインのような希少資産への逃避は激化する」とセイラーCEOは13日夜にマスク氏のインフレに関する問いかけに応えてツイートした。米ソフトウェア会社のマイクロストラテジーは、資産として多くのビットコインを保有している。
ビットコインは最近、FRBによる金融引き締めが加速することへの懸念から、ゴールドのパフォーマンスを下回っているが、マスク氏やセイラー氏のような人たちは、ビットコインの価値保存の手段としての長期的なユースケースに自信を持ち続けている。
「インフレは数年先まで高止まりするだろう(ただし、今よりは低くなるだろう)。そうした状況は、インフレヘッジとしてのビットコインという考え方を後押しし、他の資産との相関関係が低く、供給上限を持つビットコインへの投資をさらに促す可能性がある」とGenesis Global Tradingは2月25日付けニュースレターに書いている。
FRBは今週末に金利を0.25%引き上げ、インフレと戦う姿勢を示すだろう。実施されれば2018年以来の金利利上げとなるが、市場はすでに織り込み済みのようだ。ビットコインは、主にはFRBによる利上げ懸念を受けて、過去4カ月で40%近く下落している。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Google Trends
|原文:Inflation Worries Top Concerns Before Fed Meeting, Spur Musk Comment