今週のトップニュースをダイジェストで振り返ります。
イーサリアム2.0、ステーキング総額が1000万ETHに
プルーフ・オブ・ステーク(PoS)への全面的な移行を進めているイーサリアムブロックチェーンでは、先行してPoSに移行した、いわゆる「イーサリアム2.0(Eth 2.0)」へのステーキング総額が1000万イーサリアム(ETH)に達した。Dune Analyticsのデータで明らかになった。
イーサリアム2.0へのステーキングがスタートしてから約15カ月で、大きなマイルストーンを達成した。
人気NFT「Bored Ape」のYuga Labs、CryptoPunksとMeebitsを買収
世界的に人気を集め、高額で取引されているNFTコレクションの「Bored Ape Yacht Club(BAYC)」を手がけるYuga Labsが、「CryptoPunks」と「Meebits」のコレクションを開発者のLarva Labsから取得した。YugaとLarvaが3月11日、Twitter上で発表した。
インフレ懸念、高まる──Google トレンドは100に
米電気自動車大手テスラのイーロン・マスクCEOは13日夜に「今後数年間のインフレ率をどう考えているか?」とツイート。インフレ時には現物資産を購入することが最善の方法となることが多いが、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ドージコイン(DOGE)を保有し続けるだろうと述べた。
世界中の人々も、継続的なインフレを心配しているようだ。Google トレンド(Google Trends)を見ると、「inflation(インフレーション)」という検索キーワードの数値は「100」に急上昇している。
EUの暗号資産規制法案、成立に向け一歩前進
EU議会の経済・金融問題委員会は3月14日、暗号資産規制法案「Markets in Crypto Assets(MiCA)」の草案を賛成31、反対4、棄権23で通過させた。MiCAは、暗号資産の発行と取引を広く包括し、暗号資産企業は「パスポート型」ライセンスを使って、EU加盟27カ国に容易に事業を拡大できるようになる。
暗号資産ファンド、8週連続の流入超ならず
暗号資産(仮想通貨)ファンドは前週、12月上旬以来となる高水準の流入超となったが、3月11日までの1週間では1億1000万ドルの流出超となり、8週連続の流入超にはならなかった。暗号資産運用会社コインシェアーズ(CoinShares)が14日発表した。
1400億円のビットコインが米コインベースから移動──機関投資家の長期投資姿勢を反映か
米暗号資産取引サービス大手コインベース(Coinbase)から最近、12億ドル(約1400億円)相当の大量のビットコイン(BTC)が移動(流出)。ビットコインの4カ月にわたる弱気な値動きは、個人投資家を怖気づかせたようだが、長期投資を重視する機関投資家は落ち着いているようだと、ブロックチェーン分析会社グラスノード(Glassnode)は14日発行したニュースレターに記した。
データを見ると先週、3万1130ビットコインがコインベースから移動。2017年以降、週あたりでは最も大きな移動となった。
金融庁、ロシアの資産凍結で暗号資産交換業者に要請──JVCEAが正式コメント
欧米諸国と日本がロシアに対する経済制裁を拡大させるなか、金融庁は3月14日、国内の暗号資産交換業者に向けた要請を公表した。日本政府がロシアにおいて資産凍結を行っている対象者への暗号資産の移転を行わないことや、各社のモニタリング強化を求めた。
トヨタ系のデンソーにサイバー攻撃、身代金要求か:報道
トヨタ自動車グループ部品メーカーのデンソーは3月14日、同社の関連企業が不正アクセスを受けたことを明らかにした。
日経の報道によると、「Pandora(パンドラ)」を名乗る集団が13日、「デンソーの機密データを盗み、公開する」との趣旨の声明を掲載したという。攻撃を受けたのはドイツの現地法人で、設計図や発注書の画像、メールやプリンターの印刷データなどが盗まれていると見込まれる。
Web3で新団体、Metaverse Japan設立──JBAと提携、代表に長田新子氏
Web3時代に日本の力を世界に向けて発信することを目的とした「一般社団法人Metaverse Japan(MVJ)」が3月14日に設立した。最先端の情報や世界観を広く共有するために、メタバース領域で業界や企業の垣根を越えて活動していく。
代表理事には、渋谷未来デザインで理事を務める長田新子氏が就く。共同代表理事は、PwC Japanの馬渕邦美マネージングダイレクター。提携パートナーとして、日本ブロックチェーン協会(JBA)が入る。
インスタグラムにNFT導入:ザッカーバーグCEOがSXSWで発言
「近いうちに、インスタグラムにNFTを導入することに取り組んでいる」と、メタ(Meta、旧フェイスブック)のマーク・ザッカーバーグCEOは15日、テキサス州オースティンで開催されたSXSW(サウス・バイ・サウスウェスト)で述べたと、Engadgetのシニアエディター、カリッサ・ベル(Karissa Bell)氏はツイートした。
元フェイスブック開発者、約240億円調達──ディエム(旧リブラ)実現を目指す
元フェイスブック開発者が率いるAptosは15日、2億ドルの資金調達を発表した。Aptosは、メタ(Meta、旧フェイスブック)が諦めたディエム(Diem、旧リブラ)ブロックチェーンの実現を目指す、複数の取り組みの一つ。
米コンセンシスが530億円調達、評価額は8300億円に──急成長の足もとでは訴訟も
イーサリアムブロックチェーンのアプリケーションとインフラの開発を手がけるコンセンシス(ConsenSys)は15日、4億5000万ドル(約530億円)を調達し、評価額は70億ドル(約8300億円)に達したと発表した。
前回の資金調達は2021年11月、2億ドルを集め、評価額は32億ドルだった。わずか数カ月で評価額は2倍以上となった。
メタバースで渋谷と京都がタッグ──宮下公園に「京都館」開設
メタバースで渋谷と京都がタッグを組む。宮下公園のバーチャル空間「渋谷区立宮下公園 Powered by PARALLEL SITE(パラレルサイト)」に3月17日、京都の魅力を体験できる「京都館PLUS X」がオープンする。一般社団法人渋谷未来デザインが15日、発表した。
パラレルサイトは、渋谷未来デザインが公園の高度利用を目的に大日本印刷株式会社(DNP)や宮下公園パートナーズとの共同実証事業として運営している。新たに開設する京都館では、伝統工芸や観光資源などの魅力を発信する。さらに、渋谷と京都の人が交流できる場づくりを目指すという。
FRB、0.25%利上げを決定
米連邦準備理事会(FRB)は16日、米連邦公開市場委員会(FOMC)後の声明で、FF金利を現在のゼロに近いものから0.25%引き上げ、0.25%~0.5%の範囲にすると発表した。FRBの金利引き上げは、2018年12月以来となる。
ゼレンスキー大統領、暗号資産の合法化法案に署名
ウクライナのゼレンスキー大統領は同国で暗号資産(仮想資産)を合法化する法案に署名した。ロシアによる侵攻が激化するなか、ウクライナには暗号資産を使った寄付が寄せられている。
法案は、暗号資産の法的な位置づけ、分類、所有権、規制当局を決定し、暗号資産サービスプロバイダーの登録要件を設定するものと同国デジタルトランスフォーメーション省は16日、声明で述べた。
人気NFT「Bored Ape」に関連した暗号資産「ApeCoin」登場
人気のNFTコレクション「Bored Ape Yacht Club(BAYC)」に関連した暗号資産が発表された。BAYCの公式ツイッターは16日夜、「ApeCoin」の導入をツイートした。
BAYCを手がけるYuga Labsは「すべての新しいプロダクトやサービスのトークンとしてApeCoinを採用する」計画だが、プレスリリースは、ApeCoinは「ApeCoin DAO」という新しい組織のプロダクトに過ぎないと述べている。
牧島デジタル大臣、CBDCによる国税納付も可能と理解示す
牧島かれんデジタル大臣は3月16日の衆院内閣委員会で、将来的にCBDC(中央銀行デジタル通貨)による国税納付も可能になるという認識を表明した。衆院内閣委員会で中谷一馬氏(立憲民主)の質問に答えたもの。
コインチェック、メタバースに京都を制作──Decentralandに2035年の近未来都市
暗号資産(仮想通貨)とNFT取引サービスを手がけるコインチェックは3月16日、メタバース空間に京都をイメージした2035年の近未来都市を制作すると発表した。2022年内に一般公開する。
ブロックチェーンゲーム「Decentraland(ディセントラランド)」上の土地「LAND」に制作する。今回、発表した「Oasis KYOTO」では、メタバース×NFTのコミュニティ拠点として、神社仏閣などの日本の古都を連想させる街並みを作り上げる。
LINE、NFT事業でVISA、Crypto.comとパートナーシップ──グローバルのエコシステム構築を目指す
LINEは3月16日、NFTのグローバルプラットフォーム事業で、VISAやCrypto.comを含む26社とパートナーシップを締結したと発表した。
LINEは、NFTのグローバルプラットフォーム事業を運営するため、グループ内にLINE NEXTを設立。提携する企業のIPコンテンツを対象にしたNFTを開発し、ユーザーが簡単な決済方法で取引できる環境を提供する。
米コインベースのNFT事業、収益は10億ドル以上:米投資銀行Needham予想
暗号資産(仮想通貨)取引サービス大手の米コインベース(Coinbase)は、NFT(ノンファンジブル・トークン)事業から最大12億6000万ドル(約1490億円)の収益を追加することができる。米投資銀行Needhamのアナリスト、ジョン・トダロ(John Todaro)氏は17日、顧客向け文書で述べた。
ジャック・ドーシーのブロック、送金決済のKyashに出資──49億円のシリーズDで
ジャック・ドーシー氏が率いる決済大手ブロック(旧スクエア)は、モバイル決済のKyashが行った49億円規模の調達ラウンドに参画した。
Kyashが17日に発表した内容によると、今回のラウンドはシリーズDで、ブロックのほかに、JPインベストメント、SMBC日興証券、SMBCベンチャーキャピタル、JAFCOなどが参加した。日経によると、ブロックのアジア企業に対する出資はこれが初めてとなり、出資額は10億円超とみられる。
ローソン、チケットをNFTに──ファンの保管ニーズに対応、SBINFTが協力
大手コンビニチェーンのローソンが、子会社のローソンエンタテインメントを通じてNFTサービスを開始すると17日、発表した。ローソンチケットにおいて、コンサートやスポーツのチケットをNFTとして販売する。
サービス名は「LAWSON TICKET NFT」で、開始時期は今春。NFTマーケットプレイスを運営するSBINFTが協力する。NFT化したチケットには、実際の会場の座席情報などが記録される。購入者は、デジタル化された唯一の記念チケットを保管できる。
ゲームのドリコム、Web3事業に参入──ゲーミファイでThirdverseと提携
スマートフォンゲームを開発するドリコムは18日、Web3事業に参入すると発表。ゲーミファイ(GameFi)領域でThirdverseグループと提携して、ブロックチェーンゲームの開発を進める。
ドリコムが商標権を保有するゲーム「Wizardry」を、海外向けのブロックチェーンゲームとして再開発し、早ければ2022年冬にもリリースする計画だ。Thirdverseがパブリッシャーを務め、ドリコムが受託開発する。
|文・編集:coindesk JAPAN編集部
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